新旧起業家、新交通で連合 ヴァージン、高速交通VBに出資

2017/10/13 23:00
共有
保存
印刷
その他

 英ヴァージングループは12日、超高速輸送システム「ハイパーループ」の開発に投資すると発表した。ヴァージンを率いるリチャード・ブランソン氏と、ハイパーループを支援するイーロン・マスク氏が起業家連合を組み、次世代の交通インフラ構築に挑む。壮大なビジョンで資金と技術者を引き付けてきた新旧起業家の2人は、どんな化学反応を起こすのか。

 「提携で社名はヴァージン・ハイパーループ・ワンに変わる」。高速輸送システム開発のベンチャー、ハイパーループ・ワンへの出資を発表した12日、ブランソン氏はブログでこう宣言した。投資額こそ公表しなかったが、ヴァージンブランドを社名の頭に加えた上で、個人でも資金を投じるなど並々ならぬ熱意をみせた。ヴァージンは提携先として自社の顧客を紹介するなどして事業拡大を支援する予定だ。

 ハイパーループは真空に近い状態にした空洞のチューブ内を、磁力で浮かせたカプセルが飛行機並みの速さで移動する仕組み。米テスラなどを経営するマスク氏が2013年に基本設計の構想を公開した。主にハイパーループ・ワンともう1社が開発を進めている。技術の検証試験が続く段階だが、欧米、中東、インドなど世界各地でチューブの敷設計画がある。

 マスク氏はチューブを地下に埋め込む掘削会社も立ち上げ、今夏には米国の東西両海岸やテキサス州の主要都市を結ぶ高速地下交通の敷設計画を公表した。地下に着目したのは自宅のあるロサンゼルスの深刻な渋滞へのいらだちから。地上がだめなら地下を使った交通インフラの再整備が必要と考えたという。すでにロサンゼルスで自社の地下を掘り始めている。

 一方、ブランソン氏は音楽を皮切りに航空、鉄道といった分野に果敢な投資を続けた20世紀後半を代表する起業家だ。1970年代に設立したレコード会社を瞬く間に世界大手に育て上げ、84年にはヴァージン・アトランティック航空を設立。3年で英国2位の長距離航空会社に成長させるなど、世界の様々な業界秩序を変えてきた。

 ただ、04年に着手した宇宙旅行事業は機体の開発が難航。マスク氏率いる米宇宙開発ベンチャー、スペースXなどにリードを許している。今回はそのマスク氏と手を組み、未来の交通インフラ作りに挑む形になる。

 交通インフラや宇宙開発などは国家単位の投資が一般的だが、米国で目立つのは民間の起業家たちだ。米グーグル創業者のラリー・ペイジ氏は同社を通じスペースXに投資するとともに、次世代の小型飛行機開発にも資金を提供。米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏はロケットを使った宇宙輸送などの開発を進める。

 莫大な資金を惜しげもなく投じる起業家たちのスピード感は国家をはるかにしのぐ。彼らのビジョンが未来の都市のあり方も変えるようになってきた。

(シリコンバレー=兼松雄一郎)

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ速報トップ

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 13:42更新
9:41
東北 22:00
22:00
関東 22:00
22:00
東京 22:05
22:00
信越 21:18
0:14
東海 22:00
21:55
北陸 2:18
20日 21:30
関西 22:00
21:30
中国 22日 21:57
21日 2:00
四国 21日 1:31
21日 1:31
九州
沖縄
22:05
21:46

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報