新米の卸値8%高 3年連続上昇 夏の長雨響く

2017/10/13 20:30
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 新米の取引価格が3年連続で上昇した。農林水産省は13日、2017年産で初となるコメの相対取引価格を発表した。9月時点で全銘柄の平均価格は60キロあたり税込み1万5526円。16年産の出回り当初に比べて8%高い。夏の長雨の影響で稲の生育遅れが響いたほか、政府の減反政策によって主食用米の転作が進み、供給が減っている。

 相対取引価格はJAグループを含む集荷業者からコメ卸に出荷する価格(運賃や包装代を含む)を集計、加重平均して算出する。

 特に外食や中食が使う、相対的に価格の低い銘柄で価格上昇が目立った。「茨城産あきたこまち」は同18%高の1万5383円、「千葉産ふさこがね」は同15%高の1万4689円だった。天候不順の影響が大きかった栃木産は、コシヒカリが同10%高い1万5057円となった。

 取引価格の上昇に伴って、流通業者からは「消費の落ち込みが心配」(大手コメ卸)との声が出ている。これまで、外食チェーンや弁当販売といった中食が低価格米の主要な購入先だった。「せっかくコメを使いたくても、麺類などに置き換える動きが出かねない」(日本炊飯協会の福田耕作顧問)との懸念が出ている。

 家庭向けに消費者が小売店で購入する人気銘柄だと「北海道産ななつぼし」が同12%高い1万5874円となった。「北海道産ゆめぴりか」も同3%高の1万7694円と上がった。一方、最高級の「新潟・魚沼産コシヒカリ」は同1%安の2万600円。新潟は17年産の作況がさえなかった一方、豊作だった16年産の在庫が余っており、新米でも一段の高値は付けづらい。

 人気の高いコメの需要は旺盛で、あきたこまちやコシヒカリの引き合いが強い。量の限られた新米を卸や集荷業者が取り合う構図となり、高値をけん引する。

 今回は9月時点の速報値だが、全体の取引数量は17万トンと前年同月より25%減った。太平洋側で夏に長雨で日照不足となり、稲の生育が遅れた。コメどころの東北や北海道では収穫を例年よりずらしており、出回る量が減少、価格を押し上げた。

 飼料米への高額な補助金によって主食米が減り、価格上昇につながっているとの見方もコメ卸などから出ている。一方、農水省は飼料米への転作について、需給の均衡を目指すための選択肢の一つとの立場を主張する。ただ、価格の低い銘柄ほど農家は補助金の高い飼料米に生産をシフトさせており、政策が価格上昇を促している面が大きい。

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