中韓通貨協定ひっそり延長 共産党大会前の批判懸念

2017/10/13 16:12
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 【ソウル=鈴木壮太郎、北京=原田逸策】中国と韓国の通貨交換協定が期限満了日の10日に延長されていたことが13日、明らかになった。両国は10日にその事実を公表しなかった。中国は米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備に強く反発している。18日に始まる共産党大会の前に発表すれば「韓国に甘い」との批判を浴びかねないとみて、公表を控えたようだ。

10日、韓国・ソウルの銀行に積まれた韓国のウォンと中国の人民元の紙幣=聯合・共同
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10日、韓国・ソウルの銀行に積まれた韓国のウォンと中国の人民元の紙幣=聯合・共同

 通貨協定の延長は、異例のかたちで伝わった。国際通貨基金(IMF)、世界銀行の年次総会出席のため訪米中の金東兗(キム・ドンヨン)経済副首相兼企画財政相と韓国銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が記者団の質問に「満期日に延長で最終合意した」と答えた。新しい契約期間は3年で、11日に発効した。金額は3600億元と、現行内容を踏襲する。

 10日は中韓当局ともに契約を延長した事実を公表せず、韓国銀は「延長に向け交渉中」と説明していた。関係者は「技術的な問題が残っており、発表できなかった」と釈明。技術的な問題は何かと尋ねると「答えられない」と語った。

 韓国の聯合ニュースによると、通貨協定の延長は6月の中国人民銀行の周小川総裁と韓国銀の李柱烈総裁の会談から本格化した。すでにTHAAD問題で中韓関係は悪化していたが、両氏は「政経分離」の原則を確認。通貨当局間は淡々と延長に向けた作業を進めた。

 中韓の通貨協定は2009年に始まり、これまで2度更新された。韓国にとって中国は最大の締結国で、ドル換算で全体の半分弱を占める。中国にとっても韓国は香港に次ぎ2番目の締結国。両国とも外貨準備高は潤沢だが、いざというときに頼れる選択肢となる。

 ただ延長の事実を公表するかは頭を悩ませたようだ。中国では18日に中国共産党大会が始まる。党首脳人事の最終調整が進む中、THAAD導入を認めた韓国との通貨協定延長を発表すれば、国内の批判を招きかねない。

 韓国はこうした中国の事情を忖度(そんたく)したようだ。かといって延長を発表しないまま、期限が切れたとの認識が広がれば韓国通貨のウォン相場に影響しかねない。そこで苦肉の策として経済副首相と韓国銀総裁によるぶら下がり取材が使われたとみられる。

 韓国政府、韓国銀とも2人の発言は「正式な発表ではない」という。中国外務省の華春瑩報道官は13日、韓国メディアに「通貨協定の延長が両国関係改善につながるか」と問われ「人民銀に聞いてほしい」とだけ答えた。日本経済新聞は人民銀に書面で協定延長について問い合わせたが、回答は得られていない。

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