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豊島逸夫の金のつぶやき

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発表はいつ? FRB議長人事に揺れる市場

2017/10/13 10:15
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 12日のホワイトハウス定例記者会見では、予告なく、ケリー大統領首席補佐官が登場した。「大物」の登場に市場は、すわ重大発表かとざわめいた。

 結論から言えば、驚くべきニュースはなかったのだがポジティブサプライズとなった。壇上での同氏の受け答えが、一貫して自然かつ率直な所作で落ち着いており、雑音が目立つホワイトハウス内をしっかり掌握している印象を与えたからだ。トランプ政権になって最も笑いの絶えない記者会見、とも評された。

 そんな中、市場に一瞬緊張が走ったのは、次期米連邦準備理事会(FRB)議長人事について質問が飛んだ時だ。トランプ大統領が「2~3週間で決める」と明言していたので、そろそろ何らかの具体的手掛かりを市場は模索している。しかし、同氏は、結論が「some time away(まだしばらく先のこと)」、とコメント。はやるマーケット参加者は肩透かしを食らった感じであったが、そこですかさず、「パウエル、ウォーシュの有力候補2人以外に、第3の候補者がいるので手間取っているのでは」との憶測も浮上した。

 一方、その記者会見の前には、国際通貨基金(IMF)総会開催関連会合の席で、噂のパウエル現FRB理事が講演。時節柄、その発言が注目された。

 「世界経済正常化の中の新興国経済展望」との題目であったが、講演の後半では「FRB金融政策の軌跡、市場の反応」とのサブタイトルで語る場面もあった。

 「段階的金融正常化への期待感は、金利乱高下の可能性を弱める。将来見込まれる米政策短期金利に0.5%のタームプレミアム(長期債保有への上乗せ金利)を加えても、金融危機前の水準よりはるかに低い」

 「とはいえ、市場の動きはnoisy(雑音が多い)。段階的、かつ事前に明示された金融政策のもとでも、市場は潜在的にボラタイル(値動きが激しい)。ここまではマーケットもなんとか持ちこたえてきたが、急旋回して、思わぬ激しい反応を見せることもある」と語り、2013年のいわゆるバーナンキ・ショックを例に挙げ、警鐘を鳴らした。

 議論自体にさほど新鮮味があるとは思えないが、時の人が語ると、インパクトがあるものだ。

 50ベーシスポイントという具体的数字も出しながら、低金利が続く状況を示唆したので、やはりイエレン現議長の路線を継承するハト派と市場は改めて受け止めた。

 ことほど左様に、マーケットはFRB議長人事を強く意識している。トランプ大統領のことゆえ、ツイッターで唐突に「人事発表」をつぶやくかもしれない。この目先のモヤモヤ感が晴れないと、ドル相場も膠着から脱することは考えにくい。日本は衆院選一色だが、欧米市場の視線はFRB高官発言とトランプ氏の決断に集まっている。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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