米のユネスコ脱退発表、「反イスラエル」に反発 国際社会に衝撃
国連事務総長「極めて残念」

2017/10/13 10:30
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 【ワシントン=川合智之、パリ=白石透冴】トランプ米政権は12日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)からの脱退を決めたと発表した。ユネスコが2011年にパレスチナの加盟を承認するなど、反イスラエル的な姿勢を続けていることへの懸念などを脱退理由に挙げた。国連や欧米各国からは驚きや批判の声が上がり、米の孤立主義が改めて浮き彫りとなった。

 「ユネスコは反イスラエル的偏向を続けている」。米国務省は12日の声明で、ユネスコの政治的な姿勢を強く非難。同日付でユネスコに脱退の意向を通知した。ユネスコの規定で脱退は18年末に発効し、その後はオブザーバーとして関与する。

 ユネスコは7月、パレスチナ自治区のヘブロン旧市街を世界遺産に登録。これにイスラエルが強く抗議していた。トランプ氏はかねてイスラエル寄りの姿勢を鮮明にしており、トランプ氏の長女の夫のクシュナー大統領上級顧問がユダヤ系米国人であるなど、政権内も親イスラエル色が強い。今回の脱退発表もイスラエル側の意向に沿った判断とみられる。

 ユネスコ予算の22%にあたる年8千万ドル(約90億円)の米分担金拠出を嫌った面もある。1984年に米がユネスコから一度脱退した際もユネスコの放漫運営を批判。03年に復帰したが、11年のパレスチナ正式加盟で分担金拠出を停止した。

 国連のハク事務総長副報道官は12日、定例記者会見で「グテレス国連事務総長は脱退決定について極めて残念だと思っている」と語った。一方で米国とは「多くの問題について連携しており、今後もそうしていく」と語り、強い非難を避けた。

 ユネスコ本部があるフランスの外務省は「国際社会によるユネスコへの支援が重要になっている今日、米国の決定を残念に思う」との声明を発表した。仏紙フィガロは「派手だが結果は限定的という、トランプ氏が得意とする決断だ」と批判的に報じた。

 ロイター通信によると、英首相官邸の報道官は「引き続き加盟国としてユネスコに関与し、その重要な活動を支えていく」と記者団に語った。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は「米国とユネスコの関係は安定していない」として米国が過去にも脱退していた時期があると報じた。

 ドイツでも関心は高く、各メディアはニュースを一斉に速報した。高級紙のフランクフルター・アルゲマイネ紙は電子版で「撤退大統領、トランプ」と皮肉を込めた見出しを掲げ、トランプ氏が地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」や、環太平洋経済連携協定(TPP)などからの撤退や脱退の表明を繰り返していると指摘した。

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