米がユネスコ脱退、深まる孤立路線
国際協調に新たな打撃

2017/10/13 0:30
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 【ワシントン=川合智之】トランプ米政権は12日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)からの脱退を決めて、自国の利益のためなら国際社会との衝突もいとわない姿勢を改めて示した。環太平洋経済連携協定(TPP)や地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱表明など、米の孤立路線が国際協調に与える影響は大きい。

パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部=ロイター
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パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部=ロイター

 「ユネスコは反イスラエル的偏向を続けている」。米国務省は12日の声明で、ユネスコの政治的な姿勢を強く非難した。ユネスコは7月、パレスチナ自治区のヘブロン旧市街を世界遺産に登録していた。

 ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長は米の離脱に「深い遺憾」を表明した。ユネスコの規定で脱退は2018年末に発効する。米メディアによると、トランプ氏が9月にフランスのマクロン大統領とニューヨークで会談した際、離脱方針を伝えていた。

 トランプ政権は国内支持者向けの「米国第一」の公約を重視し、TPPやパリ協定からの離脱を進めてきた。オバマ前政権などが国連や同盟国との多国間協調を重視してきたのとは対照的で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国にも負担金を増やすよう求めて反発を呼んだ。国連平和維持活動(PKO)や国連人口基金などへの拠出金削減のほか、女性差別撤廃条約などの離脱も検討中と報じられている。

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 トランプ氏はイスラエル寄りの姿勢が鮮明だ。大統領に当選した翌日、真っ先に電話した外国首脳はイスラエルのネタニヤフ首相だった。イスラエル側が「首都」と主張するエルサレムにテルアビブから米大使館を移転する方針も示した。トランプ氏の長女の夫のクシュナー大統領上級顧問はユダヤ系米国人で、ネタニヤフ氏とは幼いころから家族ぐるみの付き合いだ。

 ユネスコ予算の22%にあたる年8千万ドル(約90億円)の米分担金拠出を嫌ったという側面もある。1984年に米がユネスコから一度脱退した際も、ユネスコの放漫運営を批判していた。ユネスコが11年パレスチナ加盟を承認した時も分担金拠出を凍結した。

 ユネスコは195カ国が加盟する国連専門機関で、パリに本部を置く。教育機会の平等な提供や、世界遺産・文化遺産登録などに取り組む。16~17年の2年分の予算は6億6700万ドルで、日本も10%弱を拠出する。09年まで松浦晃一郎元駐仏大使が事務局長を務め、現在のボコバ事務局長は元ブルガリア外相だ。

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