2017年12月14日(木)

増収増益のファストリ 柳井氏、次は「アマゾン対策」

サービス・食品
小売り・外食
2017/10/12 23:00
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 ファーストリテイリングが12日発表した2017年8月期の連結決算は増収増益だった。中国や東南アジアを中心とした海外ユニクロ事業がけん引し、値上げ戦略の失敗などで減益となった16年8月期からは復調した。ただ、柳井正会長兼社長は決算会見で今期の課題を挙げた。ネット通販最大手の米アマゾン・ドット・コムなどアパレルに関心を持つ異業種との競争だ。

 「今後は顧客のニーズに応えられる企業だけが生き残る。その中心にいるのがアマゾン、米グーグル、米アップル、中国アリババ、中国騰訊控股(テンセント)などのハイテク企業だ」。柳井氏は会見でこう語った。

 この発言は、ファストリが成長の3本柱と位置づける事業を分析すれば理解しやすい。1本目の柱は17年8月期の好決算を支えた海外事業だ。「(海外事業について)リスクはない」。柳井氏は会見で断言した。

 前期は中国本土の83店を筆頭に、フィリピンやマレーシアなど経済成長が続く東南アジアでユニクロを大量出店。現地でブランド力が高まったため値引き販売の必要が薄れ、利益率も改善した。海外ユニクロの売上高は今期、国内ユニクロを超える見通しだ。

 柳井氏の関心は残る2本の柱に向いている。そのうち1本がネット通販事業だ。ファストリは数年前まで、アパレル事業で「ZARA」のインディテックス(スペイン)などの同業大手と顧客を奪い合っていた。

 しかし、この最近でアパレルのネット通販が世界的に急成長している。日本勢ではアパレル通販サイト「ゾゾタウン」を手がけるスタートトゥデイが急成長。4日には、アマゾンジャパンが東京・品川に世界最大の撮影スタジオを設けて企画・演出力を強化し、日本のアパレル市場を本格開拓する計画を打ち出したばかりだ。

 ファストリの17年8月期の国内売上高に占めるネット販売比率は6%にとどまる。前々期から伸びてはいるが、「早期に30%にしたい」(柳井氏)との方針にほど遠い。

 ファストリは「情報製造小売業」を標榜し、IT(情報技術)重視の経営を打ち出している。2月には東京・有明に物流センターを新設。「有明プロジェクト」と題し、企画から生産、物流までの情報をITで一元化する改革を始めた。

 ただ、柳井氏はその進み具合が不十分だと感じているようだ。会見ではアマゾンなどのネット企業について「協力者でもあり、それぞれの得意分野で協力を始めている」と語った。部分的にはこれら異業種の力を借り、ネット通販をテコ入れする意向のようだ。

 「近いうちに確実に達成する」。柳井氏はこの日、20年度に連結売上高3兆円という目標に改めて言及した。3本目の柱である低価格店「GU(ジーユー)」のテコ入れを含め、柳井氏はどんな絵を描くのか。アパレル業界ばかりかネット業界からも耳目が集まる。

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