2017年12月12日(火)

FRB議長人事が混沌 穏健派のパウエル氏浮上
イエレン氏も続投意欲か

トランプ政権
経済
北米
2017/10/12 23:00
保存
共有
印刷
その他

 【ワシントン=河浪武史】2018年2月に任期が切れるイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の後任人事が、最終局面を迎えて混沌としている。イエレン現議長が再任するとの見方に加え、同じく穏健派のジェローム・パウエルFRB理事が候補に浮上。ケビン・ウォーシュ同元理事らの名も挙がる。各候補の政策スタンスは分かれており、金融政策の先行きは読みにくい。

 トランプ氏は早ければ10月中にも、次期議長人事を最終決断する。最近まで有力候補とされてきたのはウォーシュ元FRB理事だ。06年に35歳の若さで理事に指名され、共和党の主流派・保守派ともに近い。さらに、妻は化粧品大手創業者の孫で、義父がトランプ氏と友人関係にある。ウォーシュ氏自身も政権の助言機関のメンバーも務めるなど、トランプ氏との距離の近さは際立っていた。

 ただ、同氏は量的緩和第2弾を決めたばかりの11年にFRB理事を辞任した。緩和路線を強めたバーナンキ議長(当時)に米連邦公開市場委員会(FOMC)で異論を唱えたこともある。イエレン体制の低金利政策を「引き締めに出遅れた」と批判するなど、市場は利上げに積極的な「タカ派」とみて緊張感を強めている。

 そんななか穏健派のパウエル理事が議長候補として急浮上してきた。同氏もブッシュ(父)政権時に財務次官(国内金融担当)を務めるなど、共和党主流派に近い。FRB入りの前は投資ファンドの共同経営者に就くなど、ウォール街の経験も長い。金融政策ではイエレン氏の低金利路線を支持し「利上げは辛抱強く検討すべきだ」などと主張してきた。

 米政治専門紙「ポリティコ」は、政権内で人選を担当するムニューシン財務長官が、パウエル氏を次期議長に推薦したと報じた。不動産業で成功したトランプ氏は、かねて「自分は低金利人間」と主張しており、タカ派のウォーシュ氏より穏健路線のパウエル氏が適任との見方も根強い。

 一方、トランプ氏はイエレン議長を再任させる可能性も残す。イエレン体制では慎重に利上げを進めてきたため、米経済の拡大局面が続き、株価も上昇した。トランプ氏は「イエレン議長を大いに尊敬している」と政策運営を高く評価する。

 ただ、続投を選ぶ場合、議会の承認が壁になりそうだ。FRB首脳人事は大統領の指名後、上院の承認が必要となる。クリントン政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めたイエレン議長は、リベラル色が強く共和党主流派となじまない。より「小さな政府」を志向する共和党保守派も、FRBの強大な権限を嫌い、超低金利政策で影響力を発揮した現議長の再任には反対だ。

 そのため、一時はゴールドマン・サックス出身のゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長が最有力とされた。だが、トランプ氏の白人至上主義者を巡る発言で関係が悪化。「コーン氏有力説」に一時の勢いはなく、自身も当面は政権内にとどまり税制改革に注力する考えを表明している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報