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球場が呼んでいる(田尾安志)

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掛布監督退任に大義はあるか 再びユニホーム姿を

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2017/10/15 6:30
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 クライマックスシリーズたけなわ、日本シリーズも行われる10月はプロ野球が最も盛り上がる時期である一方、別れの季節でもある。今年も井口資仁(ロッテ)、相川亮二(巨人)、森野将彦(中日)らかつての主力選手がユニホームを脱いだ。それぞれ盛大に引退セレモニーが行われたが、選手に劣らぬ注目を集めたのが、やはり今季限りで退任した阪神・掛布雅之2軍監督だ。

 9月28日、広島とのウエスタン・リーグ最終戦が行われた甲子園球場には7131人のファンが詰めかけた。2軍監督のラストゲームにこれだけのお客さんが来たケースは記憶がない。阪神の2軍戦は本拠地の鳴尾浜球場で行われるものだが、収容人員は500人。最後のユニホーム姿見たさにファンが殺到することを予想した球団が、27日の試合(観衆6805人)と併せて急きょ甲子園に舞台を移した。英断だったといえる。

掛布2軍監督のラストゲームには7131人のファンが詰めかけた=共同

掛布2軍監督のラストゲームには7131人のファンが詰めかけた=共同

 私より2学年下で、現役時代は阪神と中日の中心選手としてしのぎを削った仲。親しみを込めて、本稿ではあえて「掛布」と呼ばせていただく。

指導で花開いた数々の選手

 掛布は2014年に「ゼネラルマネジャー付育成&打撃コーディネーター」として阪神に復帰し、16年からの2年間、2軍監督を務めた。この間の指導実績は、阪神ファンならずともご存じの方が多いだろう。今季20本塁打とブレークした中谷将大、新人ながら非凡なセンスで4番を務めた大山悠輔ら、掛布の指導の下で花開いた選手は枚挙にいとまがない。

 くすぶっていた選手の再生にも手腕を発揮した。守備力は抜群ながら、打力の乏しさゆえレギュラー定着を逃してきた大和が左打ちに挑戦すると、手塩にかけて育てていっぱしのスイッチヒッターに仕立てた。同じく「守備の人」の印象が強かった俊介はスイングから力みがなくなり、プロ入り8年目で初めて打率3割をマーク(規定打席は未達)、終盤戦はリードオフマンとして打線の起爆剤になった。昨季新人王の高山俊は2年目のジンクスに泣いたが、出直しのため2軍に行くと、途端にスイングがよくなったと聞く。

 ひところフリーエージェント(FA)選手や外国人の補強に頼り、一向に若い打者が育たなかった阪神にあって、近年、次々に生え抜き選手が打力を付けてきたのはひとえに掛布の指導のたまものといえる。こうも若手、中堅が伸びていくケースはそうは見ない。今後も多くの若い選手を伸ばしていってほしいと思っていたので、退任は残念でならない。

 退任の理由として、金本知憲監督との考えの違いが取り沙汰されている。金本監督は、激しいトレーニングで鋼の体を築いた自身の経験をもとに、選手にがんがんやらせるタイプ。一方の掛布は選手の自主性や自覚を尊重する指導をしてきた。どちらが正しく、どちらが間違っているという話ではない。人の数だけ価値観や野球観があり、考えが異なるのは当然のこと。そこでしっかりとコミュニケーションを取れば落としどころが見つかり、同じ方向を向くことができるはずなのだが、今回はどうだったのか。

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