2017年12月13日(水)

ファストリ増収増益 アジアに託す売上高3兆円
柳井氏「海外事業にリスクなし」

サービス・食品
小売り・外食
2017/10/12 16:47
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 ファーストリテイリングは海外事業を拡大する。12日発表した2017年8月期連結決算は増収増益だった。売上高は1兆8619億円と前の期比4%増えたが、20年度に売上高3兆円を目標とするなかでは物足りない。現状を打開しようと注力する一つがアジア事業だ。

決算発表するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(12日午後、東証)

決算発表するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(12日午後、東証)

■柳井氏「EC早期に30%に」

 「海外事業にリスクはない」。柳井正会長兼社長は12日に開いた決算会見で、こう言い切った。伸びる海外戦略の本気度を示すように、会見には中国事業担当の潘寧・上席執行役員と東南アジア事業担当の守川卓・上席執行役員も同席した。

 20年度に5兆円としていた連結売上高の目標を3兆円に引き下げたのは昨年の今ごろ。全体的に苦戦するファッション業界でファストリは勝ち組の代表格だが、15年8月期までほぼ2割増だった伸び率は16年8月期に6%増と鈍化した。今期は前期比10%増を見通すものの、20年度に3兆円を達成するにも現状のペースでは届かない。

 国内ユニクロ事業の店舗数は今後も横ばいが続き、再成長の柱の一つと位置付ける電子商取引(EC)事業も国内売上高に占める比率は6%。東京・有明に物流センターを設け、「早期に30%にしたい」(柳井会長兼社長)とするが、現状は思ったほど進んでいない。16年8月期までの4年間で売上高を3倍強に伸ばしてきた低価格店「GU(ジーユー)」も足元で伸び悩む。

■中国で店舗1000店に

 そこで、成長加速で期待するのが海外事業だ。中でも、経済成長が続く中国では前期83店を出店し、「2~3年以内に出店スピードをさらに速める」(潘上席執行役員)方針。英調査会社ユーロモニターによると、16年の中国衣料品市場は約30兆円で、米国と並び世界最大だ。中国市場は今後も年約10%のペースで伸びるとされ、ユニクロは中国店舗数を20年に1000店規模まで増やす計画を持つ。数年で日本を超える公算が大きい。

 中間層の厚みが増すフィリピンやタイ、マレーシアでも着実に店舗網を広げており、東南アジアをきっかけにグローバル展開を強化する考えだ。守川上席執行役員は東南アジアやオセアニア市場について、「年約30%の成長を実現させていく」と意気込みを示す。来期には海外ユニクロ事業の売上高が国内ユニクロを上回る予定だ。

 世界では「ZARA」のインディテックス(スペイン)やスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)との競争は激しい。増収に伴って利益成長を進める従来の形を取り戻せるか。「情報製造小売業」へと変身を目指すファストリだが、市場が期待する「本来の姿」を示すことも求められる。

(原欣宏)

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