監視カメラでテロ防げ、不審者追跡や1億画素で検出

2017/10/12 16:40
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カメラメーカー各社が監視カメラや産業用カメラの技術を競っている。キヤノンは複数のカメラをネットワークで連携し、特定の人物をリアルタイムで追跡できる技術を開発。デンマークのフェーズワンは1億画素の超高解像度カメラを産業向けに展開を始めた。2020年の東京五輪を控え、企業や官公庁から受注を狙う。

キヤノンは特定の人物をネットワークカメラで追跡する

東京ビッグサイト(東京・江東)で13日まで開催している「テロ対策特殊装備展」で、各社が相次ぎ新製品を披露した。

キヤノンは特定の人物を検索し追跡する映像解析ソフトの新製品を初めて公開した。空港や市街地にネットワークカメラを設置して、不審者を見つけ出す。

例えばテロの容疑者の顔の画像を事前にソフトに登録しておけば、カメラにその人物が写ると、瞬時に検出する。さらに複数台の監視カメラの映像を組み合わせ、その人物がどこに移動しているのか追跡する。

顔が正面を向いて写っていなくても、服装や体格の情報も合わせて人物を特定し、追跡し続ける。録画サーバーに送られた映像を解析するソフトのため、既に設置されているネットワークカメラをそのまま活用できる。

システム開発のソリトンシステムズは、ウエアラブルカメラを使ったライブ映像配信システム「スマートテレキャスター」を出展した。イベント会場などの現場で警察や警備員が映像をリアルタイムで指令センターに送り、センターと現場が双方向で情報をやり取りできる。イベント開催中に不審者を見つけるため、警察や警備員が装着して警備するといった活用を見込む。

ハードも進化している。広告撮影向けの高解像度カメラで高いシェアを持つフェーズワンは画素数が1億の産業用カメラを出展した。警備や監視用など、産業分野の市場開拓に乗り出している。

1億画素のカメラは、ソニーの高精細CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーを搭載し、フェーズワンが昨年世界で初めて商品化した。日本でも大手建設会社など数十社から受注を獲得。写真を使った警備用途のほか、インフラ点検や防災対策にも活用が期待されている。

1億画素カメラの強みは遠くから広い範囲を撮影し、一部を鮮明に拡大して解析できること。同社は実証実験で、34階建ての高層ビルの最上階から地上を撮影し、地上を歩く人物の顔をはっきりと認識できた。静止画撮影だが、最速0.65秒間隔で撮影し、解析することもできる。

例えば街を広範囲に撮影し、その中から逃走車を探し出したり、群衆の中から不審な人物を見つけたりできる。インフラ点検で橋梁やトンネル、電線などを撮影し、写真を拡大してひび割れやサビなど、劣化している部分を分析することもできる。

東京五輪に向け、官公庁やインフラ関係者は対策の強化を迫られている。テロが頻発する欧州では危機感が高まっており、防犯対策や発生直後の初動の早さなどが重要になっている。それには最先端のカメラや画像解析技術が欠かせない。

同イベントは来場者を治安関係者やインフラ事業の危機管理担当者に限定している。入場にはボディーチェックや荷物検査が必須で厳重だ。テロ対策のニーズが高まっており、3日間で1万2000人の来場を見込む。(斉藤美保)

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