中村新王座、悲願の初タイトル 若手台頭を象徴

2017/10/11 21:47
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新王座誕生の一局となった第65期将棋王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負第4局は手に汗握る激戦だった。中村太地新王座(29)が羽生善治前王座(47、棋聖)の玉を追い詰め、3度目の挑戦で悲願の初タイトルを獲得。若手世代の台頭を象徴する結末となった。

投了図は△3六角まで

投了図は△3六角まで

本局は角換わり戦法の将棋となった。先手の腰掛け銀に後手が早繰り銀で対抗。午前から駒が激しくぶつかり合う乱戦で「お互い一歩も引かない攻め合い」(解説の村山慈明七段)に進んだ。

午後に入ると後手が5六飛(52手目)と飛車を切る猛攻から4六銀で先手玉に詰めろをかけた。一気に決めに出る順もあったが、挑戦者は1時間39分の大長考の末、7一歩(60手目)とし、穏やかな流れとなった。先手も辛抱を続けて反撃の機会をうかがったが、挑戦者が正確な指し回しでリードを保ち、押し切った。

中村新王座は東京都出身、故米長邦雄永世棋聖門下。2006年四段プロデビュー。早大政経学部卒の俊才で、テレビ出演も多い若手人気棋士の代表格だ。13年の第61期王座戦で羽生前王座に挑んだが、2勝1敗の後、2連敗でタイトル獲得の好機を逃していた。

羽生善治王座(左)を破り、初タイトルを獲得した中村太地新王座(11日午後、横浜市)

羽生善治王座(左)を破り、初タイトルを獲得した中村太地新王座(11日午後、横浜市)

それから4年。この間に新王座と同年代の佐藤天彦名人(29)や年下の菅井竜也王位(25)といった他の20代棋士が第一人者の羽生前王座を破ってタイトルを獲得。彼らに続く新王座の誕生や新星・藤井聡太四段(15)の登場は将棋界の世代交代を加速させそうだ。

羽生前王座は2004年以来となる一冠に後退。将棋界は7つのタイトルを6人が分け合う群雄割拠の時代に突入した。

中村新王座の話 「何とかタイトルを取りたいと思っていたので良かった。タイトル保持者として、これからは大きな責任も伴うので、しっかり自分を律して将棋界のために行動していきたい」

【指し手】▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲7八金△8五歩▲7七角△3四歩▲8八銀△7七角成▲同 銀△2二銀▲3八銀△6二銀▲4六歩△4二玉▲3六歩△7四歩▲3七桂△7三銀▲2五歩△3三銀▲4七銀△6四銀▲4八金△5二金▲5六銀△7五歩▲同 歩△同 銀▲2四歩△同 歩▲2五歩△3五歩▲2四歩△2二歩▲4五桂△4四銀▲3五歩△8六歩▲同 歩△同 銀▲同 銀△4五銀▲同 歩△3六桂▲2九飛△8六飛▲8七歩△7六飛▲7七歩△5六飛▲同 歩△4八桂成▲同 玉△4六銀▲3四桂△5一玉▲6八金△7一歩▲9五角△7三銀▲8二銀△9四歩▲7一銀成△4一玉▲2三銀△同 歩▲同歩成△3七角▲5八玉△2三金▲7三角成△5九金▲同 飛△7三桂▲6一飛△5一銀▲2四歩△3六角まで80手で中村六段の勝ち

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