2017年12月13日(水)

アステラスや三共 化合物データを外部開放
創薬を効率化 バイオに経営資源集約へ

ヘルスケア
2017/10/11 18:35
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 アステラス製薬は11日、第一三共、田辺三菱製薬と共同で、開発した化合物の有効活用に取り組むと発表した。開発を中止した化合物を国内の研究機関へ公開し新たな用途を探ってもらう。がん免疫薬に代表される「バイオ医薬品」が主流になる一方、従来型医薬品の創薬は年々難しくなっている。研究を効率化しバイオに振り向ける経営資源を捻出する。

 「自社に競争力がある部分とそうでない部分を明確に区別し、組めるところは外部と積極的に組みたい」。11日、横浜市で取材に応じたアステラス製薬の畑中好彦社長は外部との連携で新技術を創出する「オープンイノベーション」の重要性をこう強調した。

 製薬会社は1社あたり数十万種類とも言われる化合物を保管し、一昔前までは「秘中の秘」として門外不出だった。それが今回の3社提携では、一部を競合他社と共有した上で、大学や研究機関などの外部に解放する。

 動物試験で安全性や効果が確認できた物に絞り公開する。化合物の作用でおよそ50種の候補群を提供できる。開発を中止した薬などを別の病気を対象に研究し直す「ドラッグリポジショニング」のみを対象に11月まで提案を募り、原則1年以内で提供に応じる。研究資金は提供しない。製剤化する場合、3社が協議して開発元を決める。

 がん免疫薬を含むバイオ医薬品で日本勢は出遅れているため、バイオ強化は各社の共通課題となっている。このほど、アステラスが米国でぼうこうがんの一種を対象にしたバイオ医薬品の後期の臨床試験を始めたほか、第一三共が開発中のバイオ医薬品と小野薬品工業のがん免疫薬「オプジーボ」の併用療法の臨床試験(治験)を始める方針を打ち出している。今後、従来型の医薬品の研究も続ける一方、効率化をさらに進める動きが加速する可能性がある。

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