「訴えたこと伝わった」 3代続く果樹農家の原告

2017/10/10 18:19
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 「国と東京電力の責任が認められ素直にうれしい。これまでの活動や訴えが報われた」。福島第1原発事故の被災者訴訟の原告で、福島市で果樹農園を営む阿部哲也さん(54)は10日、国と東電に損害賠償を命じた判決を福島地裁廷内で聞き、ほっとした表情を見せた。

 主に梨を栽培する果樹園の3代目。2011年の原発事故直後は放射線量を測るすべもなく、避難せずにすぐ農作業を再開した。

 皮肉にもその年は大豊作だったが、贈答用の梨の販売量は3割減り、1箱2500円だった価格は千円ほど落ちた。「祖父の代からのお客さんが離れてしまうのはショックだった」。長年協力してきた地元中学生の栽培体験も中止となったままだ。

 昨年6月。福島地裁の金沢秀樹裁判長らが避難指示区域外の被害状況を検証するため果樹園を訪れた。阿部さんは表土が除染されていないことを説明し「避難区域の中でも外でも、抱える苦悩は同じだ」と訴えた。「検証は裁判長にとってインパクトがあったと思う。判決の一部に生きているのではないか」と語る。

 「原発事故の被害の受け方は、個人の事情や考え方によっても違う。それぞれに見合った賠償が認められてほしい」という思いで裁判に臨んだ阿部さん。「判決で終わりではないが、とりあえず今夜は安心して眠れる」と笑った。〔共同〕

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