グーグルやテスラ、プエルトリコ支援へ  
有事のインフラで存在感

2017/10/8 0:13
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 【シリコンバレー=中西豊紀】巨大ハリケーンの被害にあえぐ米自治領プエルトリコの復興にシリコンバレー企業が動き始めた。グーグルは6日、インターネット接続ができる気球を同地に飛ばし、緊急通信網に活用してもらうと発表した。テスラも電力不足対策のため蓄電池を供給する。寸断した旧来インフラに対し、新たな技術が有事での存在感を高めつつある。

 グーグルはこの日、米連邦通信委員会(FCC)からネット接続用の気球30基をプエルトリコとバージン諸島に最大6カ月間飛ばす許可を得たと発表した。同社は2013年から気球と無線ネットワークを活用したデータ通信を提供する実験「プロジェクト・ルーン」を進めており、これを災害支援に活用する。

 プエルトリコではハリケーンの余波で通信網が遮断され、現在90%以上の地域で携帯電話が使えないとされる。FCCはグーグルの気球を「免許を得た通信会社を支援するもの」としており、実質的に寸断した通信インフラの代替と位置づけている。気球が機能すれば被災地での電話やメールが可能になる見通しだ。

 グーグルは「ルーン」を通信インブラを構築しにくい新興国や島しょ部向けビジネスの種まきとして実験してきた。既存の大手通信会社が手がけない「ニッチ」を攻めていた形だが、結果として大手の設備が使えない有事のインフラとして注目を浴びることになった。

 グーグルは5月にも洪水に見舞われたペルーで通信復旧のため「ルーン」を飛ばしている。プエルトリコは米領だけに、シリコンバレー企業に冷淡とされるトランプ大統領に「恩を売る」ことにもなる。技術のアピールとともに政治的なメッセージとしての意味合いも出てきそうだ。

 この日は電気自動車(EV)ベンチャー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)も、プエルトリコに蓄電池や太陽光パネルを供給する考えをツイッターを通じて明らかにした。電気が通らなくなっているエリアの復旧に自社の技術を役立てる。

 通信や電力など既存のインフラ企業が身動きできないなか、グーグルやテスラは迅速な対応をとった。テスラがこれとあわせて自動車の量産について遅れを発表したことから、プエルトリコ問題にすり替えているとの指摘も出かねない。

 とはいえ、有事の存在感は企業にとってはプラスに働く。「社会に対する責任意識に乏しい」とみる反シリコンバレー派もワシントンには少なくないが、今回の行動はどう映るのだろうか。

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