2017年12月18日(月)

イラン核合意、行方混沌~枠組みは維持の見方浮上
トランプ氏は批判姿勢変えず

トランプ政権
中東・アフリカ
北米
2017/10/6 23:00
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 【ワシントン=永沢毅】米欧など6カ国がイランと結んだ核合意へのトランプ政権による対応が大詰めを迎えている。米メディアによると、トランプ大統領は近く「合意を順守していない」としてイランを批判する見解を示す方針だが、合意に基づき解除した経済制裁の再開は議会に求めない見通しだ。核合意の枠組みは当面維持されるとの見方だが、トランプ氏の判断には不透明な点も残る。

 「イランはテロを支援し、暴力と混乱を中東にもたらしている。核合意の精神に沿って行動していない」。トランプ氏は5日、ホワイトハウスで開いた米軍幹部との会合でこう批判した。イランを強く批判する姿勢に変化はみられない。

 米紙ワシントン・ポストによると、トランプ氏は12日にも対イラン政策を発表する方向だ。同氏は合意が「国益にかなっていない」と改めて表明するとみられる。だが経済制裁の再開は議会に求めず、議会の判断に委ねる方針という。イランを強く批判しながら、制裁再開に踏み込まない玉虫色の対応といえ、核合意の枠組みそのものは維持される可能性が浮上している。

 こうした対応の背景には、政権内の意見の相違があるとの見方がある。オバマ前政権のレガシー(遺産)である核合意の見直しは、トランプ氏が大統領選当時から掲げた公約だ。政権の安全保障チームはトランプ氏に対し「イランは合意を順守していない」との判断を示すよう勧告した。トランプ氏のイラン批判に正当性を与え、同氏の支持層には「公約を履行した」との印象を与える狙いが読み取れる。

 だが核合意の破棄といえる経済制裁の再開の判断は、米議会に事実上委ねる。米政府は合意の履行状況を90日ごとに議会に報告している。議会側はこれを受け、60日以内に制裁再開の判断を下す運びだ。

 核合意には英仏独など欧州諸国や中国、ロシアも関与しており、各国は順守を主張している。ここで米国が破棄に動けば国際協調を乱し、イランが再び核開発に動く可能性もある。議会にゲタを預けることで、トランプ氏の判断で合意を破棄する事態を避ける思惑もうかがえる。

 判断の背景には、外交・安全保障を担うマティス国防長官やティラーソン国務長官の意向が働いた可能性がある。両氏は合意の支持をかねて表明している。合意を一方的に破棄すれば「トランプ政権は約束を守らない」とのイメージがつき、北朝鮮との対話にマイナスに働くとの懸念があるためだ。

 ただティラーソン氏はトランプ氏との不和が伝わっており、トランプ氏がこのシナリオに従うかは見通せない。米メディアは、トランプ政権がミサイル発射など核問題とは別のテーマを理由に制裁を強化する可能性を報じている。英BBCは合意自体を破棄する可能性を伝えている。

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