栃木の自治体、イチゴで誘客

2017/10/7 2:00
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栃木県の自治体でイチゴを利用した対外PR施策が活発になっている。県は2018年から1月15日を「いちご王国・栃木の日」と定め、来年1月から2月にかけて集中販促活動を行う。生産が盛んな真岡市や鹿沼市も、交流人口の増加に向けイチゴを中心に据えた対外発信を強化している。

鹿沼市は2016年「いちご市」を宣言した

県の生産量が今年50年連続で日本一となることが確実になっており、イチゴのPRを通じて地域のブランド向上につなげる。県は来年1月15日の「いちご王国・栃木の日」からの1カ月間、集中的に販促活動を実施する。農業団体や商工団体、観光団体などで販促の推進委員会を組織。大型商業施設でのイベントや、県内企業との協賛イベントの実施などを想定している。

40年以上生産量県内一を誇る真岡市も、5月に就任した石坂真一市長のもとでイチゴを前面に押し出し始めた。1日から市内公共施設など7カ所の愛称に「いちご」を加えたほか、とちぎテレビのアニメキャラクターを「もおか"いちご"チアリーダー」に認定し、今後イベントなどに活用していく。

石坂市長は「今まではPRが下手だった。市内どこに行ってもイチゴがあると思ってもらうことが大切」と語る。19年には全国から生産者を集めた「全国いちごサミット」を開催する予定で準備を進めている。

知名度向上のため昨年「いちご市」を宣言した鹿沼市は、来年2月にイチゴ商品を集めたイベント「いちごの森」を初開催する。またイチゴの観光農園が不足し来園を断っている状況を受け、市が運営するイチゴ摘み体験用ハウスを今冬から2棟増やす。婚姻届や市の封筒にもイチゴをあしらうなど、生活の隅々でイチゴをアピールする。

鹿沼市は10アール当たりのイチゴ農家の収入が県内で最も多い。佐藤信市長は「量の真岡、質の鹿沼。対外PRだけでなく市民にもイチゴへの愛着を持ってもらいたい」と話す。

あしぎん総合研究所の豊田晃主席研究員は、15年度に各自治体が地方創生に関して策定した「地方版総合戦略」に盛り込まれた地域のブランディング戦略が「去年から今年にかけ実行段階に移ってきたことが背景にある」とみる。

両市に共通するのが、観光資源の「選択と集中」だ。真岡には木綿や蒸気機関車(SL)、鹿沼にはサツキや木工などの名物もあるが、それぞれに「市のイメージが分散していた」(鹿沼市シティプロモーション係)。イチゴという名産品に観光戦略を集中させることでイメージを作りあげ、観光客が増えれば他の観光資源にも波及する。

ただ、イチゴによるブランディングを地域創生に結びつけるには、他の要素を絡めていく必要もある。石坂真岡市長は「四季を通じた物語を作る」と語り、イチゴだけでなくSLや産業も活用して取り組む考え。豊田氏は「子育て支援や産業政策などとの合わせ技でないと地方創生は進まない」と指摘する。

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