2018年9月22日(土)

さいたま市、電車の電力を使い電気バス運行

2017/10/7 2:00
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 さいたま市は浦和美園―さいたま新都心間で運行を予定する電気自動車バスに、電車が減速する際に発生する電力を使う世界初の技術を導入する。新たに発電する必要がないため、地球温暖化を防ぐ効果がある。住友商事や埼玉高速鉄道と連携して2018年秋に実証実験を始め、20年の東京五輪で市内の会場を結ぶ交通手段として活用する。

 環境省が二酸化炭素(CO2)排出削減の技術を実証する事業に採択され、住友商事が中心となり「ゼロエミッション地域公共交通インフラ」の開発・実証を行う。

 埼玉高速鉄道の電車がブレーキをかける際に発電する「回生電力」を、パンタグラフを通じて浦和美園駅バスターミナルに設置する次世代蓄電池に回収。パンタグラフ接触式充電器で、電気バスに5分以内に超急速充電するシステムを構築する。次世代蓄電池は東大発ベンチャーのエクセルギー・パワー・システムズ(東京・文京)が製作する。

 17年度は充電器やバスのバッテリーなどの開発を進め、18年秋には超急速充電システムを設置し、実証実験を開始。19年度には浦和美園駅とJRさいたま新都心駅間の10.9キロメートルで、実際に客に乗ってもらう。20年度の商業運行を目指しており、国土交通省にも支援を要請する方針だ。

 電車の回生電力は現状では鉄道内で一部しか活用されていない。市環境未来都市推進課は「地域で生まれる未利用のエネルギーをしっかり活用し、公共交通に生かす仕組みをつくる」と説明する。

 東京五輪では浦和美園駅近くの埼玉スタジアムがサッカー、さいたま新都心駅に近いさいたまスーパーアリーナがバスケットボールの会場となる。さいたま市は東西の公共交通が乏しく、両駅間は電車を2回乗り換える必要がある。市は競技会場間をつなぐ電気バスを五輪のレガシー(遺産)として残し、市内交通の利便性を高める考えだ。

 また、国の出先機関が集まるさいたま新都心は災害時の首都機能のバックアップ拠点と位置づけられている。埼玉高速鉄道は地下部分が多いため、東日本大震災時も当日運行を再開するなど地震に強く、非常時の輸送手段として期待されている。電気バスに使う大容量の電池は災害時の電源としても活用できる。

 市や住友商事は、実証実験で確立した仕組みの活用を、他の鉄道事業者などに呼びかけ、全国に展開することを目指す。市環境未来都市推進課では「先進的な仕組みを世界にアピールし、日本の環境対策を先導したい」と話している。

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