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正しい腕振りを身につけよう ハサミがヒントに
ランニングインストラクター 斉藤太郎

(1/3ページ)
2017/10/9 6:30
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 ロードレースシーズン到来です。今回は腕振りについてのアドバイスです。腕振りのコツは肩甲骨を使うこと。多くの資料が手に入りやすくなり、このことは広く認知されているようですが、左右の肩の支点として腕を前後方向にスイングしている方がとても多い印象を受けます。肩や二の腕の筋肉から動きを生み、その後から肩甲骨が動いているのかもしれませんが、これは理想とする力の伝達の順番とは違います。

腕を振るのはそれによって生み出されたリズムを、背骨を通して下半身の足運びにつなげるため

腕を振るのはそれによって生み出されたリズムを、背骨を通して下半身の足運びにつなげるため

 腕振りの目的は、腕を振ることによって生み出されたリズムを、背骨を通して下半身の足運びにつなげることです。二の腕や肩から動かす腕振りでは疲れやすく、力は主に腕を振るためだけに使われてしまいます。

 正しい腕振りのポイントを2つアドバイスさせていただきます。

(1)腕がロープのような意識で

 腕と体幹のつなぎ目は胸鎖関節。鎖骨に指を当て、のど元の方へ伝わせていくと出っ張りがあります。左右2つのボコッとした部分、ここが胸鎖関節です。肋骨と鎖骨が接合されている部位です。ここから2本の腕がロープのように生えているとイメージしてみましょう。

 姿勢を正します。息を深く吐き、両腕を脱力して重力にすべてを任せてしまってください。肩と鎖骨が緩み、腕がぶら下がっている感覚になります。この腕をスイングするために肩甲骨を使いましょう。腕を後ろに引くことは確かなのですが、前後方向に限定された「前⇔後ろ」という直線的軌道では折り返しの際にカクカクとした力みが生じてしまいます。

 それよりは、左右の肩甲骨が交互に自転車のペダルをこぐような円を描く軌道をイメージしましょう。自分のたもとへと引き寄せた腕が後ろへと流れ、その後は円を描くように折り返して前に戻されます。そんな円運動により、動きの終了地点がない、滑らかでエンドレスなサイクルのフォームになります。実際には自転車のペダルほど大げさな動きはしませんが、腕振りの練習では大げさにイメージしてみましょう。

(2)挟む動き・閉じる動き・メリハリ

 ハサミは2つの刃を閉じることで紙などを切ります。ランニング中の四肢についてはこれと同じように捉えてみてください。腕と脚、それぞれ左右2つの振り子がまさに閉じようとする瞬間に動きを加速させる。こうすることで推進力が増します。この瞬時の加速を「強調」と呼ぶことにします。

 腕振りでは肘が半円を描くように動きますが、この軌道の最下点である「ボトム」を意識するようにします。腕を手前に引く際、ボトムのところで強調し、ボトムを過ぎてからは惰性で後ろに流れていく。反対側の腕も原理は同じで、前に振り出す際にボトムで強調し、あとは惰性で前方へ流れていきます。左右の腕をハサミのように閉じてすれ違うところまでが強調され、あとは惰性でリラックスする。「閉じる→惰性→閉じる→惰性」のサイクルを繰り返します。遊園地の乗り物である「バイキング」の軌道にも似ています。

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