2017年12月15日(金)

障害者就労を支援 ウェルビー上場 初値28%高
大田社長「事業所の全国展開を加速」

スタートアップ
サービス・食品
2017/10/5 18:37
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 障害者の就労支援や児童発達支援を手掛けるウェルビーが5日、東証マザーズに上場した。同業では昨年3月上場したLITALICO(リタリコ)に続く。社会問題の解決を事業とするソーシャルベンチャーへの投資家の関心は高く、初値は3305円と公開価格(2580円)を28%上回った。大田誠社長(45)は会見で「事業所の全国展開を一層、強めていきたい」と語った。

 障害や難病のある人の就労に必要な職業訓練や求職活動を一貫して支援している。企業のオフィスを再現した事業所でビジネスマナーやパソコン研修などを提供し、「実際に出社しているような気持ちになれる」(大田社長)。

 2011年12月の設立後、首都圏を中心に事業所を増やしており、6月末時点で56カ所にのぼる。上場で得た資金は事業所の新設などに充てる。

 大田社長は以前に働いていたバイオベンチャーで末期がんの患者と接するなかで、「困っている人を支える事業をやりたい」と考えウェルビーを創業。「一人でも多くの障害者に成長と活躍の場を提供したい」と話す。公共団体などとの関係も強く、周辺の病院や教育機関、障害福祉機関などと太いパイプを持つ。就職支援にとどまらず、職場への定着率を上げるために就労者へのきめ細かいフォローを心がける。18年3月期の単独売上高は前期比45%増の41億円、純利益は78%増の6億円を見込む。

 一方、ウェルビーには事業モデルのリスクもある。障害福祉サービスは利用者から一部負担金を受領するが、上限を超える差額は行政からの報酬を主な収益源としている。厚生労働省による3年ごとの改定で報酬を下方に見直した場合、業績に影響が出る可能性がある。就労移行支援事業は売上高の9割超を占める。大田社長は競合のリタリコの療育事業を念頭に「われわれの柱は就労移行支援。成長を加速させる」と強調した。

 競合のリタリコはソーシャルベンチャーの代表格。昨年3月にマザーズ上場し、1年後に東証1部に指定替えされた。05年の設立当初は障害者の就職支援が主力だったが、発達障害のある子供向けの教育事業にも参入。3月時点の拠点数は学習教室が76カ所と、就労支援(59カ所)を上回る。17年3月期の売上高は87億円。このうち就労支援は43億円でウェルビー(27億円)を上回り、学習教室で約39億円の売り上げを計上している。

 一方、売上高営業利益率ではウェルビーは19%で、リタリコの8%を大きく上回る。

 ウェルビーの5日時点の時価総額は269億円でリタリコ(290億円)をやや下回った。大田社長は「今後も持続的な出店を拡大していく」と意欲を示す。来年4月には障害者の法定雇用率が引き上げられるほか、精神障害者の雇用も義務付けられる。今後の課題については「就労移行支援という事業の認知度は非常に低い。もっと存在感を高める余地がある」と話している。(駿河翼)

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