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スマホで模倣品判定、キヤノンITSのシステム

システム開発のキヤノンITソリューションズ(ITS)が日本企業の輸出を後押ししている。開発した正規品判定システムが金箔製造・販売の箔一(金沢市)など7社に採用された。消費者は商品にスマートフォン(スマホ)をかざすと正規品かどうか確認できる。地域の伝統産業も輸出に取り組んでおり、模倣品対策サービスのニーズは拡大しそうだ。

キヤノンITSの正規品判定システム「C2V コネクテッド」は、メーカーがIDタグを商品に貼る。消費者がIDタグに印刷されているQRコードをスマホのカメラで読みとったり、番号を専用アプリに入力したりすると、クラウドサーバーの正規品のデータと照合する。消費者は売り場ですぐに正規品か模倣品かを確認できる。

導入企業はいつ、どこで、どのくらい判定されたのかといった情報を取得できる。価格は1タグあたり5円から。同システムはキヤノンが中国で販売するデジタルカメラ製品に採用されている。キヤノンITSは2016年、グループ外の企業への販売を始めた。

箔一は8月、同システムを導入した。中国向けの全40品の金箔入り化粧品にIDタグを付けた。現地の販売員や消費者が簡単に正規品かどうかを確認できる。タイやマレーシアなど東南アジア向けの輸出品でも導入を検討している。

同社の金箔入り化粧水やせっけんは、訪日外国人客からも人気が高く、14年に代理店を通じて中国での販売を始めた。しかし、「進出と同時に偽物が流通し始めた」(浅野達也社長)。模倣品を販売するサイトが十数も立ちあがり、同社の商品が横流しされることもあるため、同システムの導入を決めた。

箔一のほか、化粧品や日用品などを扱う企業も導入した。キヤノンITSは同システムを改良し、転売ルートを割りだすサービスの開発も視野に入れている。極端に判定回数が多かったり、位置が移動したりする情報をもとに特定することが可能とみている。

訪日外国人客の増加や越境EC(電子商取引)の普及に伴い、中国を中心に日本企業の商品の模倣品が増えている。地域の伝統産業なども認知度の向上によって標的となっており、対策に悩む企業は少なくない。模倣品や海賊版を巡っては、中国当局も規制を強化しているが、いたちごっこが続いている。

凸版印刷も商品の真贋(しんがん)やパッケージの不正開封を判定するICタグを開発した。キヤノンITSなどの模倣品対策サービスは、消費者に安心して購入してもらう仕組みを求める企業の利用が見込まれる。

(斉藤美保)

[日経産業新聞 10月5日付]

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