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静かだった1日の夜 凱旋門賞制覇の悲願遠し

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2017/10/7 6:30
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 日本馬の悲願はまたしても夢に終わった。10月1日の仏G1、第96回凱旋門賞(シャンティイ、芝2400メートル)。栗東・池江泰寿厩舎所属のサトノダイヤモンド(牡4)は18頭中15着、サトノノブレス(牡7)は16着と惨敗した。同じ惨敗でも、昨年とは雰囲気が違ったことを如実に物語る数字がある。日本中央競馬会(JRA)がネット投票会員を対象に行った馬券発売の実績である。41億8599万5100円という記録的な売り上げから一転、今年は34億4333万6600円で前年を17.7%も下回った。戦前から漂っていた「今年は無理」という空気を、ファンも感じていたことが読み取れる。前年の熱気とは裏腹に静かだった10月1日の夜をレース、発売の両面から振り返る。

惨敗は予期されていた?

凱旋門賞で15着のサトノダイヤモンド(9)と、16着のサトノノブレス(10)=共同

凱旋門賞で15着のサトノダイヤモンド(9)と、16着のサトノノブレス(10)=共同

 今年の雰囲気が盛り上がらなかったのは、9月10日に同じ舞台で行われた前哨戦のG2、フォワ賞で、サトノダイヤモンドが6頭中4着に沈んだためだ。過去、日本馬の凱旋門賞2着は4回あるが、いずれもフォワ賞で勝つか2着に入っていた馬だ。1999年のエルコンドルパサーと2012、13年のオルフェーヴルは優勝。10年のナカヤマフェスタは2着だった。フォワ賞は出走馬が多くても5、6頭。調教のようなレースになる。本番との関連性が強いとは言い難いが、今年の2着馬クロスオブスターズ(牡4、仏)は本番でも2着。最低でも2着は確保しておきたいレースで、勝ち馬から約3馬身半差。先着を許した馬は国際レーティング(RT)上は格下の馬ばかり。早々に赤信号が点灯していたのだ。

 フォワ賞当時の馬場は日本流にいえば重。クリストフ・ルメール騎手(38)は「馬場が重かったことが影響した」とコメントしたのだが、その後に現地から聞こえてくる情報からは、調整自体も思い通りにいっていないと感じられた。9月27日の最終調教では、サトノノブレスを振り切るのにもてこずった。その後の会見で池江調教師は、フォワ賞当時の息遣いが悪く、「ノドの疾患を疑って」内視鏡検査までした事実を明かしたのだ。

 海外で絶好調で実戦に臨むのは難しいが、最低でも普段通りの体調を保つのが好走の大前提だ。今回はその前提さえも怪しかった状況。枠順は18頭中13番枠で、昨年のマカヒキ(16頭中14番枠)に続いて不利な外枠。馬場は重で、現地で発表される含水率もフォワ賞当時とほぼ同じ。プラス材料はほぼ見当たらなかった。

 実戦でも「枠なり」に馬群の外寄りを走らされ、直線の入り口で伸びかけたのも一瞬。あっという間に馬群にのみ込まれる姿は、前年のマカヒキ(14着)のVTRを見ているよう。国内で全く崩れることのなかった強者のレースぶりとは思えなかった。同厩舎同馬主で「チーム戦」の役割も期待されたサトノノブレスも終始、馬群の中に包まれたまま。存在感を示す場面もなかった。

大本命の名手、凱旋門賞5勝目

凱旋門賞を制したデットーリ騎手とエネイブル=AP

凱旋門賞を制したデットーリ騎手とエネイブル=AP

 昨年はエイダン・オブライエン厩舎の1~3着独占で波乱となったが、今年は名手ランフランコ・デットーリ騎手(46)騎乗の大本命エネイブル(英国、牝3)が圧勝を飾った。凱旋門賞前まで5連勝中でうち4勝がG1。道悪も鬼と来ているから死角がなかった。唯一の懸念は2番枠だったが、デットーリ騎手は他馬に内に閉じ込められる展開を避けるために好スタートから、わざわざ他陣営の逃げ馬が出てくるのを待って、馬群の外に出ていき、3番手前後の位置をキープ。いわば安全策で、馬の能力によほどの自信がなければ無理な芸当だ。直線も早々に抜け出すと後続を寄せ付けず、最後はクロスオブスターズに2馬身半差をつけた。2分28秒69の決着タイムは昨年より5秒以上遅いが、後半の1000メートル61秒59は、高速馬場だった前年の61秒04と大差ない。昨年は超ハイペース、今年は道悪と理由こそ違え、後半が消耗戦となる流れは、最後の瞬発力が身上の日本馬、特にディープインパクト産駒には不向きだった。

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