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電気で走る 世界を変える 欧州EV最前線(IN FOCUS)

北緯69度、オーロラの街トロムソ(ノルウェー)。タクシー運転手ヤン・ニィゴールドさんの営業車は米テスラの電気自動車(EV)「モデルX」だ。ヤンさんは「オーロラが見える空には澄んだ空気が必要」と笑う。トロムソを含む県の新車販売に占めるEV比率(プラグインハイブリッド車を含まない)は12%。ノルウェー全体の19%にこそ劣るが1%にも満たない日本やドイツと比べると驚くべき数値だ。

オーロラの街トロムソで最初のEVタクシードライバーとなったヤン・ニィゴールドさんの「モデルX」(9月13日、ノルウェー)
トロムソ生まれのヤン・ニィゴールドさん(41)は昨年9月、EVに乗り換えた。「オーロラが見える空には澄んだ空気が必要だろ」(9月14日)

新車に占めるEVシェアが3割に迫るオスロではEVはすでに日常の光景だ。冷戦時代の地下シェルターに降りると、そこは85台の充電器を備えたEV用の駐車場。郊外には24台分の急速充電器を備えたドライブインも開業した。高まるEV需要と競うようにこうした施設が相次ぎ完成している。

EVの普及にはインフラ整備がネックとの見方もある。しかし電力網はすでにそこにあり、充電器の設置はさほど難しくない。オスロ市のEV推進担当のストゥア・ポトヴィック氏は「EV市場が大きくなると民間の充電設備も利益を生み、再投資につながる好循環ができる」と話す。

冷戦時代の地下シェルターを利用したEV用駐車場。85台の無料駐車スペースは常にほぼ満車状態だ(9月20日、ノルウェー・オスロ)
オスロ市内のいたるところに無料の公営チャージステーションがある(9月20日)
オスロ郊外の大型チャージステーション。充電中に利用する客でレストランの売り上げも上がった(9月20日)
9月16日に行われたオスロマラソンでは、BMWのEVがランナーを先導した

ノルウェーは2025年にガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止、英仏や中印もこれに続く。規制に対応すべく自動車大手も相次ぎEVシフトを打ち出す。

ドイツ・フランクフルトで開かれたモーターショーでBMWの舞台に集まる関係者。各メーカーが一斉にEVシフトを打ち出した(9月12日)
ドイツのベンチャー企業が来年発売する低価格EV「e.GO Life」の試作車(9月22日、ドイツ・アーヘン)

インフラのかたちも変わる。スウェーデンのストックホルム郊外。トラックが鉄道レールのような金属製の溝の上を走る。同国の企業連合が実験する走りながら充電できる道路だ。現状はレールに接触する必要があるが、非接触充電が実現すれば充電器そのものも不要になるかもしれない。(フランクフルト支局長 深尾幸生)

スウェーデンのストックホルムでは、停車中に充電するバス停を実験のため設けた(9月19日)
スウェーデンのストックホルム郊外で企業連合が実験する走りながら充電できる道路(9月18日)
電気レールに接続してバッテリーに給電する実験用トラックのアーム部分
現在450メートルのテストロードを、近い将来一般道部分に拡張し、郵便貨物の輸送に利用する計画がある=小園雅之撮影

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