2018年10月22日(月)

世界の新設発電、3分の2は再エネ
IEA、世界の再エネ見通し発表

2017/10/4 16:00
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国際エネルギー機関(IEA)は4日、世界の再生可能エネルギーの見通しを発表した。2016年に世界で増えた発電量の3分の2を、太陽光発電や風力などの再生可能エネルギーが占めた。中国や米国、インドを中心に今後5年間で再エネ発電能力は43%増えるとみられる。世界の関連メーカーが増産などの対応を急ぐなか、日本企業の存在感は薄れている。

報告書「Renewables2017」を発表した。16年の再エネの新設量は1億6500万キロワット。けん引役は太陽光発電の7400万キロワットで15年比50%増だった。電源別の新設量で、太陽光は石炭火力などを上回り初めて首位となった。

再生エネは今後も成長する。22年までの増加量は10億キロワット。これは「現在の世界の石炭火力発電の能力の半分に相当する量」(IEAのファティ・ビロル事務局長)。

背景には、中国やインド、米国における新設量の拡大と、再エネの発電コスト低下がある。

新設した太陽光発電の半分を中国が占めた。環境対策として政府主導で進めるなど、「再生エネで疑いなく世界を主導している」(IEA)。

米国は石炭火力を重視するトランプ政権の下にあるが、最近の状況では国と州の両方による再エネ導入の優遇制度が奏功している。IEAは引き続き世界第2位の市場だと位置づける。

需要拡大に伴い発電コストは低下している。IEAは16年までの2年間で太陽光の発電コストは半減したと分析、19年にはそこからさらに半減すると予測する。コスト面でも再生エネ導入が世界の趨勢になった。

世界の再生エネ関連企業は着々と手を打っている。中国の大手太陽光パネルメーカーのロンジ・ソーラー中国は、中国や東南アジアの工場を増強しており、年末までに生産能力を年700万キロワットと、1年で4割増やす。李文学社長は「研究開発にも注力しており、太陽光発電は政府の電力買い取り制度が無くても競争力のある電源になる」と述べている。

米ファースト・ソーラーは、来年夏に発電コストが4割下がる低価格の太陽光パネルを発売する。「石炭発電に比べて環境だけでなく、経済性でも優れる」(マーク・ウィドマー最高経営責任者)としている。

日本は固定価格買い取り制度(FIT)の見直しで市場が滞っている。未稼働案件の認定取り消しなど規制強化で、16年の新設量は15年比27%減だったとIEAは指摘した。発電コストが割高なことも普及の壁だ。

17年から大規模太陽光発電所で入札制度が始まった。コスト問題が改善して今後は一定の伸びは期待できるとしている。

ただ価格競争が激しくなって海外勢の攻勢が強まると、日本のパネルメーカーは一段と苦戦を強いられそうだ。昭和シェル石油子会社のソーラーフロンティアは工場集約や工場社員の1割を早期退職させるなどリストラに追われている。(榊原健、大平祐嗣)

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