復旧、鉄道以外も視野 豪雨被害の日田彦山線
JR九州
JR九州は7月の九州北部豪雨で被災し一部で不通となっている日田彦山線について、鉄道以外の輸送手段での復旧も視野に検討する方針だ。鉄道以外ではバスやタクシーといった案も考えられ、JR九州は地元の意向を踏まえて判断する考え。青柳俊彦社長は3日、日本経済新聞の取材に「いろんな選択肢がある」とした一方で「まだ何も決めていない」と述べた。
7月の豪雨で日田彦山線は駅舎が土砂崩れに巻き込まれたり、線路が流失したりした。現在は添田(福岡県添田町)―夜明(大分県日田市)間で不通で、青柳社長は「復旧まで年単位、もしくはそれ以上の期間になるのでは」としている。
JR九州は線路の復旧費用や工法を検討している段階。今後、見積もった金額や乗車実態を沿線地域に示し、復旧後の輸送手段について地域の意見をとりまとめることになりそうだ。ただ日田彦山線はJR九州のなかでもとりわけ乗車人員が少ないローカル線で、鉄道をより強固に復旧させるとリターンを得るのは難しくなる。
こうした状況のなかで地元が鉄道以外の輸送手段を望むようであれば、バスやタクシーなどの本格的な検討に入るとみられる。一方で地域が鉄道を維持する意向ならば、復旧費用の分担や鉄道施設を自治体に譲渡しJR九州が運行を継続する「上下分離方式」などの議論が始まるとみられる。