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つみたてNISA始動 制度乱立、使い勝手に課題も

「少額投資非課税制度(NISA)を一本化してほしい」。金融庁が9月上旬に都内で開いた「つみたてNISAフェスティバル2017」。意見交換のために訪れた個人投資家はこんな要望をぶつけた。

NISAは株式や投資信託から得た利益が非課税になる制度で2014年に誕生した。16年に未成年を対象とする「ジュニアNISA」が追加され、そして18年からは「つみたてNISA」もスタートする。

税優遇で資産形成を後押しする制度としては、厚生労働省が所管する個人型確定拠出年金の「iDeCo(イデコ)」もある。ただ、これら4制度は投資の年間の限度額や対象とする金融商品、非課税の範囲や期間などに様々な違いがあり、複数のNISAを併用することもできない。

コツコツ長期投資する「草食投資家」がこうした制度を積極的に活用。低コストの投資信託や上場投資信託(ETF)を組み合わせて使う。年齢が比較的若く、投資にまつわる知識を取り込むのにも積極的な層といえる。そんな彼らにとっても乱立する投資促進制度は難解で、「どれを選択すればいいか判断がつきづらく、悩ましい」といった声があがる。

こんな状況を招いた理由は2つある。1つめは省庁間の「思惑の違い」だ。金融庁がNISAを「貯蓄から投資」の流れを強めるための制度と位置付けるのに対し、厚労省にとってイデコはあくまで年金の一種で、社会保障のためのもの。「厚労省の担当者の言葉の端々に、『投資』へのアレルギーを感じることがあった」。イデコの制度設計に関わった金融関係者はこう明かす。

2つめは金融庁が考えるNISAの役割が微妙に変わってきていることだ。「本家NISA」は13年末に証券優遇税制が廃止されたタイミングで設立され、その経緯もあって対象となる金融商品などは幅広に設定された。だが、15年に現在の森信親長官が就任し、「より長期の資産形成」が重視されるようになった。つみたてNISAが新たに加わり、投資対象を長期投資に有利とされる低コストな投信に限るのはそのせいだ。

大部分が預貯金に滞留する約1800兆円の個人金融資産。これらを経済のなかで生かしていくうえで、NISAなど投資優遇制度の役割は大きい。「分かりやすさ」は利用拡大を促す重要な要素だ。

嶋田有、鈴木大祐、野村優子が担当しました。

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