自民衆院選公約 改憲発議、19年消費増税を明記
自民党は2日、衆院選(10日公示―22日投開票)の公約を発表した。憲法改正については「原案を国会で提案・発議し、国民投票を行い、初めての憲法改正をめざす」と強調した。2012年の政権交代後、国政選の公約の重点項目に憲法改正を掲げたのは初めて。19年10月に消費税率を10%にすると明記し、その増収分の一部を幼児教育無償化など「全世代型社会保障」への転換に充てることも訴えた。

公約の表紙には「この国を、守り抜く。」と記した。掲載した安倍晋三首相のあいさつでは、北朝鮮の脅威と少子高齢化を「2つの国難」と指摘。公約の柱に(1)北朝鮮への対応(2)アベノミクスの加速(3)劇的な生産性の向上(4)保育・教育の無償化を加速(5)震災復興の加速を含む地方創生(6)憲法改正――の6つを挙げた。
改憲項目に「自衛隊の明記」「教育の無償化・充実強化」「緊急事態対応」「参院の合区解消」の4つを示した。対北朝鮮では「国際社会による圧力強化を主導」と強調し、全ての核・ミサイル計画を放棄させる目標を示した。防衛力拡充に向け、防衛大綱の見直しや、陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入を盛り込んだ。
保育・教育を巡っては、高齢者だけに偏らない「全世代型社会保障」をめざすと表明。20年度までに0~2歳児は低所得世帯、3~5歳児はすべての世帯を対象に、幼稚園・保育園の費用を無償にする。低所得家庭は高等教育の無償化も図る。財政赤字の穴埋めに充てる予定だった消費増税分の一部を財源に使う。基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化は期限を示さず「目標は堅持」と記した。
「劇的な生産性の向上」で国民所得を増やすと強調。20年までの3年間を「集中投資期間」と位置づけ、税制や予算、規制の改革をすると訴えた。