京の技、温故「革」新 西陣織でスピーカーも(熱撮西風)
京都の伝統工芸が旧来の姿を変え、世界に羽ばたき始めた。西陣織が高級ホテルのスイートルームを彩り、京丹後の螺鈿(らでん)を織り込んだ衣装がパリコレのランウエーを飾る――。
脈々とものづくりを続けてきた工房は、市場の縮小に危機感を強める。職人技は守りつつ、最新技術との融合や現代のライフスタイルに合う商品開発で新たな需要を掘り起こす。
(大阪写真部 淡嶋健人、山本博文)
京友禅×ヒジャブ
イスラム教徒の女性が頭にまとうスカーフ「ヒジャブ」。手掛けるのは京友禅の亀田富染工場(京都市)だ。今夏、マレーシアでファッションショーを行い、先月にはタイの百貨店に出店。経済成長著しいアジアでの販路拡大を目指す。




ランプに京金網
豆腐すくいなどの料理道具で知られる京金網の金網つじ(京都市)が作るランプシェード。繊細な編み目は菊の花のよう。「簡素で美しい。私の家にもぴったり合いそう」とイタリア人女性がほほ笑んだ。




西陣織インテリア
江戸期創業の細尾(京都市)は西陣織をインテリア素材に変えた。シャネルなどが店舗の内装に採用。金銀箔を織り込んだスピーカーをパナソニックと試作した。




螺鈿 パリコレへ
京都府京丹後市の民谷螺鈿は、貝殻の真珠層を裁断し生地に直接織り込む技術で世界を驚かす。パリコレで高級ブランドがジャケットに採用し、欧米ジュエリーブランドは腕時計の文字盤に。名刺入れなど身近な商品開発も進める。



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