厚生労働省は2日、アスベスト(石綿)を扱う工場に勤務し、健康被害により国家賠償を受けられる可能性のある2314人を対象に、国賠訴訟を促す通知を送ると発表した。国の賠償責任が確定した2014年の「泉南アスベスト訴訟」の最高裁判決を受け、国は元労働者らと和解する方針を示している。損害賠償金の受領に必要な提訴が増えず、周知を進め、被害者の救済につなげる。国が個別に国家賠償を促すのは異例。
対象となるのは、最高裁で国の責任があると判断された1958年5月~71年4月に石綿工場で働き、石綿関連疾患で労災認定されるなどしたが、まだ訴訟を起こしていない2314人。
このうち氏名、住所の確認が取れている756人については、今週中に通知を送る。残りの人については、住所などを引き続き調査する。
厚労省によると、今年9月末までに被害者本人など原告236人について、総額約21億円の賠償が確定している。さらに、現在197人(請求金額は約15億円)と訴訟を継続している。