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街の安全、走って見守る 「パトラン」関西でも相次ぎチーム

道で声かけやごみ拾い

地域を走りながら街の安全を見守る「パトロールランニング(パトラン)」が広がっている。すれ違う人に積極的に声をかけ、ごみ拾いなど美化活動も行う。趣旨を知って個人で取り組む人は全国で約800人に上り、5人以上でつくるチームが兵庫県伊丹市でも発足した。健康志向の若者にも関心を持ってもらう狙いで、主催者は「楽しみながら気軽に参加してほしい」と呼びかけている。

街中を走りながらパトロールするパトランメンバー(兵庫県伊丹市)

夜気に熱がこもる8月末の日曜夜8時。阪急電鉄の伊丹駅(伊丹市)に英語で「パトロールランニング」と書かれた赤いTシャツを着た男女9人が集まった。この日は京都市や大阪市からもランナーが参加した合同パトラン。1列になって走り出すと、街灯のない住宅街に向かった。

「こんばんは!」。帰宅途中の人や犬の散歩をする人に声を掛ける。道に落ちたごみを見つけては拾った。この日のコースはJR伊丹駅方面も回る約5キロ。メンバーは50分で走り終えた。呼びかけた伊丹市の会社員、増井宏倫さん(27)は「ペースを落としてすれ違う人の顔を見てあいさつができて良かった」と満足げに汗を拭った。

パトランは2013年、福岡県宗像市のNPO法人「改革プロジェクト」が提唱した。車や徒歩で街を見回るこれまでの防犯活動は中高年男性が中心のところが多く、女性や若手が参加したくなるような活動にしようと考えた。賛同する人は誰でもランナーとして無料登録できる。

伊丹市で活動する増井さんは今春にパトランを知り、週に1回、1人で走り始めた。交流サイト(SNS)で発信したところ、賛同者が集まり、1日に関西で初めて「チーム伊丹」を発足させた。

ユニホームのTシャツは買ってもらうが走る距離やルートに決まりはない。10月1日時点で24都道府県の約800人が登録。地域で5人以上が集まればチームを作ることができ、同日発足したチーム伊丹を含めこれまでに福岡や愛知、千葉などで計8チームが発足した。

京都市でも約10人のチーム立ち上げへの準備が進む。発起人の会社員、鳥本光照さん(30)は「仲間がいれば継続のモチベーションが高まる」と意気込む。市街地の外れにある薄暗い工場街で街灯が切れていることを見つけて市役所に連絡し、点灯された実績もある。

不審者は顔を見られると萎縮するという犯罪心理に基づき、パトランメンバーはすれ違う人に積極的にあいさつをする。警察庁によると、刑法犯の認知件数は戦後最少を更新し続けているが、街頭でのひったくりや自転車盗難はなお高水準だ。

宗像市のNPO代表理事、立花祐平さん(32)は東京五輪の20年までに全都道府県にパトラン登録者を広げることを目標にする。「防犯と健康、地域活性化が同時にかない、まさに一石三鳥。ランニングをしている人もこれから始めたい人も気軽に参加し、安全な街づくりを担ってほしい」と呼びかけている。

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