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大企業の56%がブロックチェーン活用検討 英調査

VentureBeat

英ジュニパーリサーチはこのほど、企業の創業者や役員、管理職、IT(情報技術)専門職400人弱を対象にした調査を完了した。今回の調査の狙いは、仮想通貨を支える分散台帳技術「ブロックチェーン」の導入によりどんなメリットやデメリットがあると考えているかなど、この技術を既に活用している、または活用を計画している企業への理解を深めることにある。さらに、企業のブロックチェーン技術への投資水準を測定し、どの企業がこの分野で最も強力なリーダーと認められているかも把握する。

(C)dencg/Shutterstock

ブロックチェーンの認知度が急上昇

今回の調査により、ブロックチェーンの活用を検討しているか活用を進めている企業は全体の39%、社員2万人以上の大企業では56%に上ることが明らかになった。

ブロックチェーンを「やや」または「十分に」理解しているとの回答は8割を超え、認知度が急速に高まっていることが示された。ブロックチェーンのプラットフォームや導入支援サービス事業者が直面していた当初の課題は大幅に改善されたことになる。実際、複数の事業者は企業の知識に大きな変化がみられると話す。議論のレベルは当初の「ブロックチェーンとは何か」から「どのプロトコルか」に変わったという。

ブロックチェーンを導入、あるいは導入を検討している企業による活用計画分野。決済/支払い分野が大部分を占める。出典:ジュニパーリサーチ

ブロックチェーンの活用に弾み

今や多くの企業がブロックチェーンの活用を積極的に検討している。さらに、今後18カ月以内にブロックチェーンを自社システムに連動する見通しを示した企業はかなりの割合に上る。

今回の調査では、以下のことが分かった。

・ブロックチェーンの活用を検討している、または活用を進めている大企業(社員数2万人以上)のうち、PoC(概念実証)の段階に達しているのは半分以上(54%)、さらに実証実験に進んでいるのは16%だった。

・PoC段階に達した全ての企業のうち、2018年末までにブロックチェーンを自社システムに連動させる見通しを示した企業は3分の2(66%)だった。

・会社の規模が大きくなるほど、自社システムに連動させるまでの時間も長くなる。中小企業(社員1000人未満)のうち、18年末までに社内システムへの連動が完了する見込みだと答えた企業は81%に上った。一方、大企業では57%にとどまった。

企業のブロックチェーンに対する懸念。相互運用性に関する懸念はブロックチェーンに本腰を入れている企業から最も多く寄せられた。出典:ジュニパーリサーチ

社内外の「混乱」が問題

多くの企業が喫緊の問題と捉えているのは、ブロックチェーン技術の導入に伴い社内システムや顧客との関係がどれほど混乱するかだ。

これは相互運用性についての懸念が一因だ。顧客のシステムがアップグレードされた自社システムに連動しなくなるか、互換性がなくなれば、仕事を失う恐れがある。これは問題だと答えた大企業は半分弱(45%)に上り、ブロックチェーンの活用を検討しているまたは実際に進めている企業全体では59%を占めた。

ブロックチェーンの導入を検討しているか実際に進めている企業のうち、導入に伴い「重大な」社内問題が発生すると考えている企業は35%、パートナーや顧客に「重大な」影響を及ぼすと考えている企業は51%。出典:ジュニパーリサーチ

今回の調査では、ブロックチェーンを活用しているか活用を検討している企業のうち、顧客やパートナーから嫌がられたり、拒否されたりする可能性を心配している企業は42%に上った。一方、企業全体では25%にとどまった。ブロックチェーンの潜在力に対する認知度の高まりや、社内会議やPoCを通じた情報収集により、むしろ導入のハードルの高さを認識するようになったことが示唆されている。

最強のリーダーはIBM

調査では、ブロックチェーンの分野で最強のリーダーと認めている支援サービス事業者はどの企業かも尋ねた。ブロックチェーンの活用を進めているか検討していると回答した人に、選択した事業者をランク付けしてもらった。勝者は明らかだった。米IBMを1位に選んだ回答者は43%近くに上り、2位の米マイクロソフト(20%)を大きく上回った。IBMは全ての業種と企業規模で首位を占め、世界のブロックチェーン技術のトップ支援事業者としての地位を固めた。

IBMは確かにブロックチェーンの分野に非常に積極的に取り組んでいる。16年1月~17年6月には、決済や資産の追跡から音楽著作権やお得意様サービスまで30社以上の顧客にブロックチェーンの解決策を構築したことを明らかにしている。

さらに、IBMのブロックチェーン基盤「IBMブロックチェーンプラットフォーム」はモジュラー型アーキテクチャーの開発支援基盤「ハイパーレッジャー・ファブリック1.0」を初めて採用。顧客はこれを使ってアプリのユーザーインターフェースのひな型を構築し、開発を迅速化できる。

IBMはブロックチェーンのエコシステム(生態系)全体の機能や認知度を高めるために、ブロックチェーンの技術推進を支援する業界コミュニティー「ハイパーレッジャー」や自社のアクセラレータープログラムなど多くのサードパーティーと連携。ブロックチェーン技術への関与を促す取り組みをどこよりも熱心に進めているといえる。

By Windsor Holden=英ジュニパーリサーチ予測・コンサルティング部門トップ

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

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