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ここから正念場 欠かせぬヤ軍・田中の完全復活
スポーツライター 杉浦大介

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2017/9/25 6:30
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ヤンキース・田中将大の不安定なシーズンが続いている。シーズン前半戦の不振を脱し、後半戦は復調したかとみられた。しかし、9月22日(日本時間23日)のブルージェイズ戦では六回途中までに3本塁打を浴びて降板。過去3年は7敗以上したことがなかったエースは、これで今季12敗目(12勝)となった。来月上旬から始まるプレーオフまでに状態を上向かせることができるだろうか。

8月中旬に右肩の炎症で故障者リスト入りを経験して以降、田中は上り調子のように見えた。復帰直後の5戦中4戦で自責点3以下。6月23日から9月14日までの14戦では7勝4敗、防御率3.34と安定した成績で、このままいけばプレーオフにはいいムードで臨めるようにみえた。ところが――。

投手コーチも「困惑」

22日のブルージェイズ戦では、6月17日までの7試合で0勝6敗、防御率8.91と苦しんだころを思い起こさせるような結果となった。三回にはテオスカー・ヘルナンデスにソロ、五回にはラッセル・マーティンに2ラン、六回にはライアン・ゴーインズに満塁弾を浴びて8失点。味方のまずい守備、球審の際どい判定もあり、不運にもみえたが、これまでの田中はそんな中でも勝利につなげる術(すべ)を見つけられる投手だった。自責点7のすべてが本塁打によるものという内容は、今季の不調時を象徴するかのようだった。

「私も困惑させられているよ。いい球を投げていると思うこともある。だが、失投をことごとく本塁打にされてしまっているようだ。失投だって(打ち損じて)打ち上げてくれることもあるのに、非常に奇妙なことだ」

今から約1カ月半前の7月25日、ラリー・ロスチャイルド投手コーチに田中の被弾傾向について尋ねると、そんな答えだった。

今季の田中の登板を見てきたファンは、そんな言葉に思わずうなずくのではないか。必ずしもシーズンを通じて低調だったとは思えず、1試合当たりの奪三振9.40はメジャーでの自己ベスト。敵地で完封勝ちを飾った4月27日のレッドソックス戦、自己最多の14三振を奪った7月28日のレイズ戦に代表されるように、ときに目の覚めるようなピッチングで魅了してくれる。

しかし、いい感じで投げていると思っても、次の瞬間に本塁打で失点してしまうゲームが極めて多かった。今季の35被本塁打は球団史上2位。ヘルナンデスにはカウント1ボール2ストライク、ゴーインズにも2ストライクと、いずれも追い込んだ後に被弾した22日のブルージェイズ戦でもロスチャイルド投手コーチが指摘した通りの投球内容だった。

メジャーの水にも慣れた4年目にして、このように厳しい1年を過ごしている理由はどこにあるのか。単に制球ミスが多いのか。癖を読まれているのか。それとも一時話題になったメジャーの"飛ぶボール"が影響しているのか。

今季のメジャーでは常軌を逸したペースで本塁打が飛び出している。9月19日には早くも通算本塁打数の最高記録5693本(2000年)が更新された状況で、"一発病"に悩まされているのは田中だけでない。ただ、そうだとしても、これまで安定感が売り物だった日本人右腕がこれほどの好不調を経験するのはやはり不自然に思える。

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