2019年2月18日(月)

日産、英工場の隣接地に部品会社 EU離脱に備え

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2017/9/25 6:30
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日産自動車は英国の工場に隣接する工業団地に、2020年をメドに主要なサプライヤーを誘致する。投資額は3億ポンド(約450億円)以上となる見込みで、部品から完成車までの一貫生産体制を整える。必要な数量の部品を輸出入の手続きなく迅速に調達できるようにして、英国の欧州連合(EU)離脱に備える狙いだ。

英サンダーランド工場の生産台数を2割引き上げる(主力SUV「キャシュカイ」の生産ライン)

英サンダーランド工場の生産台数を2割引き上げる(主力SUV「キャシュカイ」の生産ライン)

日産は英北東部のサンダーランド工場で主力多目的スポーツ車(SUV)「キャシュカイ」などを年間約50万台生産し、うち8割を欧州諸国などに輸出している。同工場は英国で最大の完成車組み立て工場だが、部品については有力サプライヤーが集積する独仏や、メキシコなどから輸入するケースが多い。物流費や納入遅延などが課題になっていた。

このため日産は次期キャシュカイの生産が始まる19~20年に向け、地元自治体などがサンダーランド工場の隣接地に建設中の敷地面積約100ヘクタールの工場団地に取引先のサプライヤーを誘致する。サンダーランド市によると現在は日系部品メーカー十数社などと交渉を進めており、年内にも第1弾の誘致企業が決まる見通しだ。

同市は工場団地を3段階に分けて開発する予定で、日産のサプライヤーによる投資額は累計で3億ポンド以上になると試算している。工場団地全体で5200人以上の新規雇用を見込んでおり、約7000人の従業員を抱える日産のサンダーランド工場に匹敵する雇用創出効果を見込んでいる。

日産は16年10月中旬にカルロス・ゴーン会長がメイ首相と会談し、EU離脱交渉の結果が英国での投資に影響を及ぼさないよう配慮を求めた。英国政府が、EU離脱後もサンダーランド工場の競争力を維持すると表明したことを受け、日産は同月下旬に同工場で次期キャシュカイなどの生産を継続すると発表している。

サンダーランド工場では19年から20年にかけて日本や米国で人気の高いSUV「エクストレイル」の次期モデルの生産も始める。日産は生産車種の主要部品を共通化することで生産効率を高め、同工場の年産台数を現在より2割多い60万台に引き上げる計画だ。部品の発注規模を増やしてサプライヤーの進出を促す狙いもあるとみられる。

英国政府はEU単一市場と関税同盟から離脱する方針を示しており、今後は英国からEU域内に輸出する完成車だけでなく、EU域内から英国に輸入する自動車部品にも関税がかかる恐れがある。日産は次期主力車種の量産開始にあわせて一貫生産体制を整えることで関税リスクを抑える考えだ。

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