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球団選ぶより プロの世界は「試合に出てなんぼ」
スポーツライター 浜田昭八

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2017/9/24 6:30
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プロ野球の今年のドラフト会議(10月26日、東京)が1カ月後に迫った。各球団ともに指名選手の絞り込みを終えたはずだ。どこも即戦力の投手を中心に指名するだろうが、人気の甲子園球児の行方も気になる。清宮幸太郎(早実)が22日、プロ志望を表明した。ドラフトでは複数球団が指名し、くじ引きで大騒ぎになるに違いない。

早実の清宮はプロ志望を表明した(22日、東京都国分寺市)

早実の清宮はプロ志望を表明した(22日、東京都国分寺市)

くじ引きで人の運命を決めていいのかと、これまでにもドラフトを巡る人権論争が繰り広げられた。制度は何度も手直しされたが、どの方法にも一長一短ある。一部の選手が入団先を選べる「逆指名」「自由枠」などを採用したこともあった。注目選手の動向が決まった後に、残り選手を指名する本番の会議は盛り上がらない。

そこで、順位ごとに各球団が一斉に指名、重複指名なら抽選という現行の方式になった。これだと抽選回数が増える。くじ引きで野球人生の方向が決まるのを、やじ馬的に面白がっては選手に申し訳ない。ただ、昨年の佐々木千隼(ロッテ)のように、"はずれ1位"の抽選で5球団が競合するなどのドラマが生まれたのは事実だった。会場にはファンも招かれ、今や人気の"ドラフトショー"だ。

ドラフトのくじ引きにドラマ

これまでにもいろいろなくじ引きドラマがあった。1989年の野茂英雄は8球団(近鉄、ロッテ、オリックス、日本ハム、ダイエー、大洋、阪神、ヤクルト)から指名され、近鉄が当たりくじを引いた。当時の監督は仰木彬。特異な投球フォームを「変えない」という野茂側からの入団条件を、あっさり認めた。他球団入りだったら、大リーグでも有名になった「トルネード投法」を続けられたか。

外れ組の中では、大洋が佐々木主浩を指名し、ストッパー「大魔神」に仕立てた。ロッテも小宮山悟を指名して主力投手陣に組み入れた。だが、ダイエーは巨人入りを望む元木大介を指名して入団を断られた。

くじ引きの結果次第では、巨人・江夏豊、阪神・松井秀喜が誕生したかもしれなかった。江夏の1位指名は阪神、巨人のほか、阪急、東映。松井は巨人、阪神のほか、中日、ダイエー。入団先が違っていたら、個人の命運はもちろん、球団史も球界の勢力図も違っていたのではなかろうか。

球団の巧妙な戦略で、くじ引きを避けて人気者を"一本釣り"することもある。「巨人以外ならプロ入りしない」とにおわせた高田繁を獲得した巨人がその先駆け。プロ入り志望を提出する制度がなかったときには、大学進学と見られた桑田真澄を単独で指名した。クリーンでないと非難されたが、ルール違反でないから仕方がない。

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