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民泊運営 IoTで安く ピクセラ、来年にも商用化
端末で本人確認 騒音センサー 効率化で参入後押し

2017/9/21 6:00
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画像処理機器のピクセラは、あらゆるモノがネットにつながるIoTを使って民泊の運営を支援するシステムを開発した。ネットワークに接続したスマートロックや騒音センサー、照明機器などを活用。運営コストを減らし、近隣とのトラブル防止にもつなげる。全国で民泊を解禁する住宅宿泊事業法(民泊法)の施行を来年に控え、合法民泊への参入のハードルを引き下げる効果が見込める。

実証実験を11月から2カ月間実施し、2018年中に商用化を予定している。実験対象は大阪市や大阪府泉佐野市、京都市などの戸建て住宅やマンション約40軒で、いずれも合法民泊だ。

実験は民泊の運営代行などを手掛けるオックスコンサルティング(東京・港)、地域向けの通信事業の泉佐野モバイル(泉佐野市)の2社と共同で取り組む。

玄関ドアには遠隔で操作できるスマートロックを取り付け、予約時に宿泊客にメールなどで知らせた1回限りの暗証番号を入力すると解錠できる。外国人の宿泊に必要なパスポートや本人確認は、玄関に置いたタブレット端末のカメラで行う。

従来は鍵を開けたり本人確認をしたりするためだけにスタッフが現地に出向くなど手間が掛かっていた。商用化後の料金は未定だが、スタッフを減らせるため、運営コストの数割の削減が可能だとしている。

民泊で多い近所との騒音などのトラブルや、災害時への対応にもIoTを活用する。

リビングにはピクセラが手掛けるテレビチューナー付きのタブレット端末を配置。騒音センサーも置き、利用者が大声で騒ぐなどするとタブレット端末に「静かにしましょう」などと表示して注意を促す。

災害時にはテレビのニュース番組の字幕を英語や中国語、韓国語に翻訳して映像と共に表示し、外国人利用客に正確な情報が届くようにする。チェックアウト後はネットに接続されたエアコンと照明の電源を自動的に切り、電気料金を抑える。

ピクセラはパソコンやモバイル端末向けのテレビチューナーが事業の主力だが、ソフトと装置の両方の設計が可能な強みを生かし、16年から一般家庭向けに見守りや家電の遠隔操作などができるIoTサービスを始めている。民泊でもこの技術を活用。民泊を足掛かりに、一般家庭向けのサービスで契約数を増やす狙いもある。

■法整備、関連ビジネス商機

現在国内にある民泊の数は4万軒を超えるともされ、民泊データベースを提供する「はりうす」によると関西2府4県には約2万軒が存在する。大阪観光局が今年実施した調査では、関西国際空港から入国した外国人旅行者で民泊を利用すると回答した割合は約2割に達した。

これらの民泊の大半は違法状態だが、6月には全国で民泊を解禁する住宅宿泊事業法(民泊法)が成立、来年に施行される。

民泊仲介サイト大手の米エアビーアンドビーは今後、日本では新法で規定される年間の営業日数180日を超える民泊の掲載をしない方針を示した。楽天など大手も民泊仲介への参入を発表し、徐々に法の枠に沿った民泊も増える見通しだ。

民泊への近隣住民の不安はまだ根強い。6月に特区制度を活用して開業した「SEKAI HOTEL(セカイホテル)」(大阪市此花区)の事前の説明会では、「宿泊客が騒いで眠れなくなったらどうするのか」といった質問が相次ぎ、「理解を得るにはかなり丁寧な説明を求められた」(同ホテル)。ただ法整備が進めば、そうしたトラブルへの対策を含めて今後新たなサービスが出てきそうだ。

ピクセラ 本社は大阪市。東証2部上場。1982年に「堺システム開発」の名前で現社長の藤岡浩氏が堺市で創業した。シャープ向けのプリンター制御用ソフトウエアの開発で事業を始めた。
97年に現在の社名に変更。2000年代からはパソコンや携帯端末からテレビを見られるチューナーを主力に事業を展開している。17年9月期連結見通しは売上高が23億円、経常利益が1000万円。

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