2018年6月18日(月)

フィンテックVB、ユニーク事業続々

フィンテック
2017/9/20 21:00
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 金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックをテーマとする国際イベント「FIN/SUM(フィンサム)ウイーク2017」で20日、国内外のスタートアップ企業が事業計画を競う大会の2日目が開かれた。保険とITが融合した「インシュアテック」などユニークなサービスが相次ぎ登場し、聴衆の関心を集めていた。

ヘルストゥシンクのエド・デングCEOは日本進出に意欲を示した(20日、東京・丸の内)

ヘルストゥシンクのエド・デングCEOは日本進出に意欲を示した(20日、東京・丸の内)

 プレゼンテーション大会「ピッチ・ラン」は、4テーマに分かれて合計32社が予選を戦い、6社が22日の決勝に進む。1日目の19日は「決済・送金」「資産運用・資金調達」、20日は「保険・新ビジネス」「仮想通貨・ブロックチェーン」のプレゼンがあった。保険・新ビジネスでは日本やフランスなどの9社が発表した。

 台湾のヘルストゥシンクは糖尿病の管理アプリを提供している。糖尿病患者の血糖値のデータを随時計測し、生活習慣をアドバイスする。合併症のリスクを大幅に減らせるという。エド・デング最高経営責任者(CEO)は「台湾では17万5000人の利用者を抱える。保険会社や医療機関とも連携している」と強調。日本進出にも意欲を示した。

 英フィナンティックスは自然言語処理などの最新技術を活用し、人工知能(AI)が生命保険商品選びをアドバイスするサービスを紹介した。保険商品だけでなく投資商品も扱い、最適な資産構成を支援する。1年半ほど前に日本へ進出した。紙のやりとりが多かった保険アドバイス業務のデジタル化需要の取りこみを狙う。

 仮想通貨・ブロックチェーンでは、日本やイスラエルなどの7社が発表した。シンガポールのテンエックスは、仮想通貨を小売店などでの決済に使える「テンエックスカード」を展開する。すでに同国を中心に5万人が利用しているという。

「テンエックスカード」を展開するテンエックスのポール・キティウォンスントン共同創業者(20日、東京・丸の内)

「テンエックスカード」を展開するテンエックスのポール・キティウォンスントン共同創業者(20日、東京・丸の内)

 ポール・キティウォンスントン共同創業者は「日本人はポイントカードが大好きだと聞いた。決済にポイントを使う展開もできる」と述べ、日本でのサービス提供の可能性を示した。今後は金や銀で決済できる仕組みを整備する方針も明らかにした。

 日本勢も負けていない。野村総合研究所は投資アプリ「Noah」をアピールした。友人との時間を重視する若者向けの投資アプリ。複数人でチームを組んで投資できるため、投資に対する心理的なハードルを下げる狙いがあるという。

 「ピッチ・ラン」ではフィンテックを活用し、低所得者に金融サービスを届けようとする企業も目立った。既存の金融機関が対象としてこなかった領域だけに、潜在市場は大きいとみる起業家が多いようだ。

 20日に発表したグローバルモビリティサービス(東京・中央)は、フィリピンで自動車金融サービスを提供する。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を使って車両を遠隔制御。ローンの支払いが滞ると、車両が動かないようにして円滑に回収する。

 世界には11億台の自動車が登録されている。一方、20億人はローンの与信審査に通らず、購入できないのが現状という。同社は日本でも非正規雇用の労働者や学生ら若年層の需要を開拓していく。

 ペイミー(東京・渋谷)は給与前払いサービス「Payme」を運営する。従業員のスマートフォン(スマホ)に前払い可能な金額が表示され、当日か翌日に銀行口座に振り込まれる。働く主婦らを多く抱える、家事代行会社などがすでに導入している。

 海外勢も力を入れている。19日にプレゼンしたマレーシアのマイ・キャッシュ・オンラインは、銀行口座やクレジットカードを持っていない移民労働者でも送金や電子商取引(EC)ができるサービスを展開している。携帯電話の通信料などとあわせてお金をチャージし、家族への送金などに使える。

(鈴木健二朗、矢野摂士)

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