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SVホルン戦記

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どこで活動してもミッションは変わらない
SVホルン 前CEO神田康範

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2017/9/25 6:30
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 サッカー日本代表の本田圭佑(パチューカ)が実質的なオーナーを務めるSVホルンで最高経営責任者(CEO)だった神田康範氏が経営の最前線から退き、このほど帰国した。小さいながらもオーストリアのプロのクラブチームで直接、経営に携わったこの2年間を「ホルン戦記」の最終回として振り返ってもらった。

 仕事をしていて楽しかったのは2015~16年シーズンの1年目でした。目標である3部から2部への昇格を優勝で果たし、毎日が充実していました。負けると眠れないほど一つひとつの試合に入り込み、フロントも選手も優勝、昇格という目標に向かって一つになっていた気がします。試合会場で「日本食フェア」とか「日本の祭」を紹介するようなプロモーションを思いついては仕掛け、プロ野球の阪神タイガースのまねをして、ホルンのチームカラーである青いゴム風船を飛ばすようなこともしました。

神田康範氏

神田康範氏

 そういう仕掛けのすべてがうまくいったわけではありません。むしろ空回りした面もありましたが、そういうマイナス面もチームの好成績が覆い隠してくれたように思います。

 しかし、2部で戦った16~17年シーズンはチームの順位が低迷したこともあり、苦しいことが絶えない1年になりました。成績が悪いと客足も減り、それで選手もやる気を失うという悪循環にはまりました。連敗が増え、下位に低迷するとモチベーションもどんどん落ちていきました。

突然のライセンス発給停止問題

 それでも中盤以降は立ち直り、上位チームを倒したり、引き分けたりして徐々に順位を上げることができました。上半分くらいの順位に入れるんじゃないかと思った終盤戦で突然、降って湧いたのが、ホルンに対するライセンス発給停止問題でした。仮にSVホルンが2部で優勝しても1部には上がれない、2部にとどまれるかどうかもわからない、それはSVホルンがリーグの定めた基準を満たしていないからだ、というリーグ当局からのクレームでした。これで監督も選手もフロントも一気に試合に集中できなくなりました。

 不思議なことに、一時期報道もされた、来季のクラブライセンスをSVホルンに発給しないという事態も、われわれホンダ・エスティーロ(本田のマネジメント事務所)側が一歩引いた形の来季の経営計画を提出し直したら、あっさり受理されてライセンスも発給されました。昨季の最終戦に勝っていたらSVホルンは2部に残留できたのですが、結果として実力不足で3部に落ち、ライセンス発給の意味はなくなりました。ただし、この件で選手たちを責める気にはなりません。「来季のライセンスがおりない」という報道がなされた後の選手はすっかり動揺してしまい、最後の数試合は本当に目も当てられない状況だったからです。

 自分に対する反省点としては、CEO就任1年目に、それまでクラブの実権を握っていた人たちとの“戦い”にエネルギーを注ぎ込みすぎたことがあります。そういう人の中には当初、われわれの参入を歓迎し、SVホルンのスポンサーとしてバックアップする姿勢を見せてくれた人もいました。しかし、チームの成績がよくなって2部昇格の実現性が高くなり、オーストリアの国内年間ニューストップ100に入ると、クラブにもっと深く関わろうとする人が出てきたのです。クラブ経営に口を出せるポジションを求めるようになり、CEOの私と激しく対立するようになりました。そういう埋めがたい溝を地元の人との間につくってしまったのは確かです。

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