じわじわと人気上昇中 進化した「フルーツサンド」

昨年からじわじわと話題になってきているフルーツサンド。パーラーやカフェでのオーソドックスなフルーツサンドはもちろん、使用するパンやクリームにもひと味違う工夫をこらした進化形フルーツサンドが登場しています。カラフルな断面はSNSでも映えるし、女子なら心が躍ること間違いなし。デザートというより軽めの食事の感覚で、たっぷりのフルーツをとれるのも人気の理由のようです。今回はそんな進化形フルーツサンドをご紹介します。
老舗パーラーが作る、レーズンパンの個性派フルーツサンド
東京・銀座の老舗「資生堂パーラー」の「サロン・ド・カフェ」限定で提供されているフルーツサンドウィッチは、軽くトーストしたレーズンパンを使用している個性派です。7種のフルーツと甘みを抑えた生クリームがぎっしりサンドされており、かわいい形のクッキーと共にサーブされます(冒頭の写真)。
「現在の資生堂パーラー総調理長がフルーツサンドウィッチをメニュー化したいと、さまざまなパンとフルーツの組み合わせで試作を重ねた結果、軽くトーストしたレーズンパンを使用することにたどり着き、今年4月末からグランドメニューに加わりました。トーストすることによるパンの香ばしさとフルーツの甘味・酸味、甘すぎない自家製生クリームが絶妙のバランスです」と銀座本店店長の前田好行さん。
レーズンパンは軽井沢に本店を持つ「ブランジェ浅野屋」のもの。豊かな風味と軽やかな甘みが特徴です。その分、生クリームは甘みを抑えているそうで、ほのかにバニラが香ります。フルーツはバナナ、キウイ、ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、オレンジの定番6種に加え、季節のフルーツを加えた全7種。10月は、旬のイチジクが使われる予定です。
「フルーツを選ぶ際には調理長・飲料長ができるだけ産地を訪ね、おいしいと思ったものだけを使用しています。彩り豊かな見た目も好評のようで、みなさんまずは撮影されますね」と前田さん。こんなかわいらしいフルーツサンドなら、撮影したい気持ちもうなずけますね。
味は本格派、小ぶりで食べやすい「ホットドッグ型」
東京・吉祥寺にある生フローズンヨーグルト専門店「ウッドベリーズ マルシェ」のフルーツサンドは、作り置きは一切していない繊細な一品。まるでパフェのようにフルーツがトッピングされた見た目がかわいらしく、しかもホットドッグのように食べやすい形だと話題になっています。

生フローズンヨーグルト専門店というだけあって、こちらのフルーツサンドに使われている生クリームには、ヨーグルトがブレンドされています。「自慢の自家発酵ヨーグルトをさらに水切りし、甘さを抑えた生クリームと合わせています。濃厚なのに後味がさっぱりしているのが特徴です」と同店代表の田川素彦さん。
「フルーツを新鮮な状態でおいしく召し上がっていただきたい」との思いから、フルーツはその時期に旬なものをセレクト。これからの時期は、ブドウや梨、リンゴのフルーツサンドも作る予定だそうです。
パンは西東京市の「ブーランジェリー・ビアリッツ」のリッチ系食パンを使用。しっとり繊細な食感とほのかな甘みが、フルーツやヨーグルトの風味とよく合います。新鮮なフルーツと濃厚なヨーグルトクリームは、一度は味わってみたい味です。
香ばしさがたまらない、クロワッサンのフルーツサンド
東京・中目黒のカフェ「アラウカーリア コーヒービーンズバンク」では、クロワッサンを使ったフルーツサンド「クロワッサンサンド」が人気です。同店ではこだわりのコーヒーが楽しめ、このフルーツサンドも「コーヒーと合うスイーツ」として考案されたそうです。

「クロワッサンサンド」は、クロワッサンに甘さ控えめの生クリームと、鮮度にこだわって厳選したフルーツをサンドしています。いちご×バナナは通年で提供中ですが、季節によって旬のフルーツを使ったものも時折登場するとのことです。「フルーツが主役になるように、生クリームの甘さは抑えてあります。ぜひコーヒーに合わせて味わっていただきたいですね」と同店の山本茉莉さん。
クロワッサンは食感がパリパリと香ばしく、クロワッサン自体のおいしさに驚く人が多いそうです。甘すぎず、重たすぎず、1つペロリと食べられてしまうおいしさです。
フルーツサンドはお店によっていろいろな個性を持ったものが登場しているので、お気に入りを見つけるのも楽しいかもしれません。ぜひ一度お試しあれ。
※価格はすべて税込みです。
(取材・文 GreenCreate)
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