球場が呼んでいる(田尾安志)

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深刻な中日のファン離れ ニーズくみ取り変革を

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2017/9/17 6:30
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 解説の仕事で古巣の中日戦に足を運ぶたび、寂しいなと思うことがある。セ・リーグ5位という成績だけではない。本拠地のナゴヤドームの空席が目立つのだ。今季主催試合の入場者数は1試合平均で2万7663人で、こちらもリーグ5位(数字は15日現在)。応援もどことなく元気がなく、チーム成績も入場者数も最下位のヤクルトの方が、よほどファンの熱気が感じられる。

年間契約席購入者が観戦せず

本拠地ナゴヤドームの空席が目立つのは寂しい=共同

本拠地ナゴヤドームの空席が目立つのは寂しい=共同

 ナゴヤドームも一目見た限りではそこそこ埋まっているように見えるが、年間契約席を持ちながら観戦にいかない人が増えている。よほどのファンであるシーズンシート購入者が見にいかないのだから問題の根は深い。その人が知り合いに「チケット譲るよ」と言っても、知り合いも「行かない」と断るという。

 中日に9年間在籍した私が思うに、本来、名古屋のファンの中日への思い入れは相当なものだ。「おらがチーム」という意識が強く、悪くいえば排他的とも思えるほど。そう考えると、現在の1軍首脳陣の陣容には首をかしげざるを得ない。元西武の森繁和監督を筆頭にほとんどが現役時代は主によその球団でプレーした人で、中日の生え抜きは近藤真市投手コーチと、このほど2軍コーチから1軍担当となった朝倉健太投手コーチだけだ。

 もちろん、優秀な人材ならどのチームにいたかに関係なく招請すべきだろう。ただし、能力が同等なら地元で活躍した人を使った方がいい。チームを熟知している利点もある。そう考えると、1軍の監督・コーチ陣(コンディショニングコーチを除く)で生え抜きがたった2人というのはあまりに極端で、これでは名古屋のファンの愛着が薄れるのも当然というものだ。

 昨年の日本シリーズが盛り上がったのは、日本ハムも広島もドラフトで獲得した若手を手塩にかけて一人前に育ててきたチームということが大きかった。スターティングメンバーのほとんどが生え抜きだと、ファンも愛着が湧いて応援しやすい。広島あたりも「おらがチーム」の意識が強い土地だから、あれでよそから来た選手がずらりと並んでいたら応援しづらいはず。好きである半面、よそ者ばかりで思い入れが持てない。これが、中日首脳陣を見るファンの偽らざる思いなのではないか。

球団の狭量な考えが見え隠れ

 ファン離れは今に始まったことではない。2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で落合博満監督率いる中日は12球団で唯一、選手を日本代表に派遣しなかった。代表に選ばれれば選手は名誉なことで、晴れの舞台を経験できなかった選手たちはかわいそうだった。ファンとしても、応援するチームから代表選手が出れば誇りに思えるものだが、その機会も失われた。

 落合監督のころは、けが人の情報も一切表に出てこなかった。ファンとすれば誰が打った、誰が投げたということに加えて、誰がどんなけがをしたかも知りたい情報。ファンサービスの観点からいえば、いかにも不親切だった。

 日本代表に派遣しなければ選手は余計なけがをすることもなく、ペナントレースに向けてじっくり準備できる利点はあっただろう。故障者などの情報を非公開にすれば相手チームをかく乱することもできよう。ただ、そこには「自分のチームさえよければ」という狭量な考えが見え隠れして、決して好ましいものではなかった。落合監督どうこうより、球団自体に「ファンあってのチーム」という視点が欠けていた。

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