2017年12月13日(水)

顔少し動かし義手自在に操作
湘南工科大、皮膚伸縮センサー感知

2017/9/15 6:30
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 湘南工科大学の森貴彦准教授はまぶたや鼻などのわずかな動きで操作できる義手を開発した。鼻などに貼り付けた小型センサーが、動きを感知し信号を送ることで、義手の手のひらを開いたり閉じたりできる。体を一部でも動かすことができれば操作でき、全身まひなどの患者にも使える。企業と協力し、2020年度までに実用化したい考えだ。

手首のわずかな動きで義手を開閉する。全身まひや寝たきりの人などへの応用を想定

手首のわずかな動きで義手を開閉する。全身まひや寝たきりの人などへの応用を想定

 皮膚のわずかな伸縮を感知できるセンサーを、義手を動かすためのスイッチとして使う。貼り付けた部位の皮膚を伸縮させると、センサーにひずみが生じる。センサーに組み込んだ回路でわずかに抵抗値を変化させ、義手開閉用の信号にする。

 患者ごとに貼り付ける位置や感度を調整でき、腕や肩の動きのほか、まぶたや鼻、耳を動かしたり、頬を膨らましたりすることでも操作できる。事故や病気などで腕の先が欠損している人や全身まひ、寝たきりの人などへの適用を考えている。

 義手は骨組み部分をプラスチック、皮膚部分をシリコーンで作った。親指と手のひらには圧力センサーも搭載し、必要以上の力で握ることを防ぐ。形状にもよるが、1キログラム程度の物体なら持つことができるという。

 研究チームは使い勝手を良くするため、無線で操作する技術にも取り組んでいる。将来は複数のセンサーを使うことで、5本の指を別々に動かすなど、より複雑な動きができるようにする。

 従来の義手は筋電信号と呼ばれる筋肉収縮時に皮膚に現れる電気信号を読み取る方式が一般的だった。ただ訓練が必要で、全身まひの患者などでは筋電信号を発生させるのが難しいなどの課題があった。海外メーカー製が主で、価格も100万円以上していたという。

 森准教授は「選択肢を増やすことで、より多くの患者に義手を使ってもらえるようにしたい」と話す。金属加工の岩田鉄工所(岐阜県羽島市)と協力し、80万円前後の販売を目指している。

 また、筑波大学病院などと協力して臨床試験に取り組むことで、保険適用も含めた実用化を考えている。

(科学技術部 中島沙由香)

[日経産業新聞 9月15日付]

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