旅行に行けなくなった… 「宿泊予約」をネットに出品
損失を少なく ライブの公演チケットも売買

2017/9/21 5:40
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楽しみにしていた旅行やライブ公演に行けなくなると、お金の面でもショックが大きい。でも宿泊予約や公演チケットを売買できる専用サービスを使えば損失を抑えられるかもしれない。

キャンセルせざるを得なくなったホテルの宿泊予約の権利を売買するサイト「Cansell(キャンセル)」は2016年9月にサービスを開始し、会員数は約5000人にのぼる。価格は売り手が決めるが、営利目的の高額転売を防ぐため必ず予約価格以下で成約するルールだ。

■月に80件の「宿泊予約」が売りに

「キャンセル」での宿泊予約の売買事例があるホテルザ・ビー(福岡市)

「キャンセル」での宿泊予約の売買事例があるホテルザ・ビー(福岡市)

予約宿泊者の変更は運営会社のCansell(東京・渋谷)がサイト掲載前にホテルから同意を得る仕組み。売り手は会員登録して予約時にホテルから受け取ったメールを事務局に転送するだけでいい。宿泊予約が売れればキャンセル料の負担を減らせる。月間で約80件の宿泊予約が出品されている。

例えば昨年Cansellに出品された高級リゾートホテル「ザ・ブセナテラス」(沖縄県名護市)の宿泊予約。大人2人で1泊する5万2920円の予約が1万円で売れた。この15%が成約手数料として差し引かれ、売り手に8500円が振り込まれた。キャンセル料100%のプランで売り手はすでに宿泊代金をカード決済していたが、予約売買で負担を減らせた。

■買い手がつくのは約2割

もっとも、出品される宿泊予約のうち買い手がつくのは約2割。宿泊当日の午後6時までに売れなければ、売り手が自分でホテルにキャンセル連絡を入れることになる。

一般にホテルのキャンセル料は21日前から宿泊代金の20%、前日なら50%、当日連絡は80%、無断キャンセルは100%といった具合だ。ところが、キャンセル料は確実に払ってもらえる手段がなく、ネット予約では、比較検討のために複数のホテルを予約しておいて無断キャンセルするマナー違反も多い。

このためホテル側は予約時点で宿泊代金をクレジットカード決済し、予約の取り消しもできないプランを増やしている。Cansellのようなサービスはこうしたプランをやむを得ずキャンセルする人の救済につながるため、業界からも「キャンセル料の負担軽減のために利用してほしい」(イシン・ホテルズ・グループ)との声が出ている。

人気チケットの高額転売が問題になっていた音楽ライブや演劇では、公演の主催者が公認する再販サービスが立ち上がっている。チケット販売大手のぴあが6月から運営する「公式チケットトレードリセール(チケトレ)」は公演日まで10日以上ある紙のチケットを売買できる。

■売買価格は定価のみ

チケトレへの出品はスマホからもできる

チケトレへの出品はスマホからもできる

まず会員登録をして事務局がチケットの内容を確認する。売買価格は定価のみで、売買が成立したら売り手が買い手にチケットを郵送。公演日の4日後に手数料380円を引いたチケット代金が事務局から売り手に振り込まれる。

演劇チケットは、オケピ(東京・中央)の「おけぴ空席救済サービス」で売買できる。04年から運用されている掲示板方式のサービスで、1日に約800件の投稿があり、約9割が成約するという。定価以下の売買がルールで手数料はかからない。ただし、チケットと代金の受け渡し方法などは、売り手と買い手がメールや電話などで直接やりとりして決める。

■「主催者公認」で安心

宿泊予約や公演チケットを定価以下で入手できる再販サービスは買い手にとってもメリットが大きい。こまめにサイトをのぞけば、日程や人数などの条件が合うものが見つかるかもしれない。

人気アーティストのライブなどでは高額転売サイトに出品されたチケット席番号を主催者がチェックしていて、場合によっては入場を断られることもあり得るという。主催者公認のチケトレではスマートフォンのアプリで表示する「購入証明書」を発行しており、買い手は安心して出かけられる。

(畑中麻里)

[NIKKEIプラス1 2017年9月16日付]

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