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仮想空間で楽曲を自在にミキシング 米グーグル

VentureBeat

「インサイドミュージック」は米グーグルのクリエイティブラボが公開した最新のプロジェクトだ。これはウェブブラウザーで仮想現実(VR)空間を実現する「WebVR」技術を使ったVRの新しい発想のイコライザー(音響調整機能)で、楽曲を分析するポッドキャスト番組「ソングエクスプローダー」とのコラボで誕生した。

仮想空間で楽曲をパート別に楽しめる

インサイドミュージックはウェブまたはVR端末で視聴する。ここでは楽曲はドラムやボーカル、ギターなどのパート別に分けられている。各パートは球で表現されており、クリックすると動かなくなる(音が出なくなる)。それぞれのパートが楽曲全体にどんな効果をもたらしているのかわかる。現時点では曲は、フェニックスやナタリア・ラフォルカデ、クリッピングなどのアーティストのサンプルから選べるようになっている。

インサイドミュージックの画面。「VOCALS」などと書かれた球をクリックすると、そのパートの音をオンオフできる

このプログラムはオープンソースで、(用意された曲ではなく)自分で選んだ曲を試したい場合はプログラムのソースコードを管理する「ギットハブ」で入手することで実現できる。

WebVRはJavaスクリプトAPIを使っており、ウェブブラウザーでVR体験できる。また、米オキュラスVRの「オキュラスリフト」、韓国サムスン電子の「ギアVR」、台湾の宏達国際電子(HTC)の「バイブ」、グーグルの「グーグル・カードボード」「デイドリーム」、米マイクロソフトの「ウィンドウズ・ミックスド・リアリティ」など主なVR端末はほぼ全て対応している。ただし、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の「プレイステーションVR」では視聴できない。曲をインサイドミュージックにつないでウェブかVR端末で視聴したい場合には、Javaスクリプトを使えば可能だ。

クリエイティブラボのクリエイティブ部門リーダー、アレクサンダー・チェン氏はこのプロジェクトの開発者の一人だ。同氏は「ピアノフェイズ」など他の音楽関連のプロジェクトも多数手がけており、音楽は情熱を傾けているものの一つだと話す。

チェン氏はメールで「音楽が大好きで、音楽をもっと身近な存在にすることに強い関心がある」と強調。「もっと気軽に音楽を掘り下げられる方法があるかを知るために、音楽とプログラムを使った実験に興味を持った」と説明した。

ソングエクスプローダーの制作を手掛けるフリシケシュ・ハーウェイ氏も、音楽をもっと身近にしたいと考えている。ミュージシャンでもあるハーウェイ氏は、楽曲制作の舞台裏を聴衆者に示し、録音された曲のそれぞれのパートの細部に光を当てるためにポッドキャスト番組を始めた。グーグルのチームからインサイドミュージックの開発支援とアーティストの監修を要請された時点で、既にVRの活用法を考えていたと明かした。

ハーウェイ氏はメールで「録音された曲でおなじみのシンプルな左右のステレオによる体験と、生演奏を聴く際のどっぷり浸れる体験との差を埋めるのがVRだ」と指摘。「VRは音楽を聴くという行為を受け身の体験から、自分の行動に応じたダイナミックで徐々に変化する性質の体験に変える。VRはまだ本領を発揮しておらず、VRでの音楽の可能性はさらに初期の段階にある」と語った。

チェン氏も同じ考え方を示し、インサイドミュージックを使えば従来とは異なる直感的な形で音楽を体験できると述べた。

チェン氏は「こうしたプロジェクトで音楽に興味を持ち、どう作られているのかを掘り下げるきっかけになってほしい」と言及。「曲を構成する個々の層にぐるりと囲まれれば、実に単純に曲を掘り下げられることが分かった。後ろで楽器の音が聞こえたら、振り返るだけで見たり、聴いたり、触ったりもできる」と述べている。

By Stephanie Chan

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

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