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FRBの資産圧縮と円レート(大機小機)

2017/9/13 18:09
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 来週にも予想される米連邦準備理事会(FRB)の資産圧縮決定で足元の円高にブレーキが掛かり、円安に振れるとの観測がある。日米金利差拡大など金融緩和を続ける日銀との違いで円安になるとの見立てだ。

 だが、米国債利回りには上昇する気配が全く見られない。北朝鮮情勢に加え、米政権運営の不確実性や利上げ観測の後退などが背景とみられている。だが、それ以上にFRBの資産圧縮による米国景気の下振れ懸念が大きいのではないか。

 公表された計画に沿ってFRBが資産を圧縮すれば金融緩和で膨張した3.5兆ドルの半分程度が今後5年間に削減される予想だ。資産拡大の大部分が当座預金にとどまったとはいえ、資産を圧縮すればある程度通貨供給が抑えられることは避けられない。通貨供給量の伸びが鈍化すれば景気が減速し、期待インフレ率の低下で長期金利の上昇が抑えられるだろう。

 一方、日銀は10年物国債利回りを0%程度で固定している。だが、景気拡大で人手不足や不動産価格上昇などひずみが出始めた。長短金利操作はいずれ弾力化せざるを得ないだろう。日米長期金利差が拡大する保証はない。

 日銀とFRBの資産残高の増加率の差も日米の金融緩和の度合いを測る尺度として注目される。日銀が量的・質的金融緩和策を導入した当時、日銀とFRBの増加率はほぼ同じだった。だが、FRBが資産買い入れを停止する一方、日銀の資産購入増額で差が32%まで拡大し、円レートは一時125円に急落した。

 それが、年初来、日銀の国債購入減少で差が急速に縮小、円安の巻き戻しが進んでいる。今後、FRBの資産が減少する一方、日銀も国債の流動性低下などで資産増加率の減少が続く予想だ。日銀とFRBの資産増加率の差が拡大することはなさそうだ。

 米国は量的緩和開始4年で景気回復に転じた。日本も異次元緩和開始4年で需給ギャップが解消、景気拡大が始まった。金融緩和の役割は終わりに近づいている。

 市場が日銀の金融緩和の出口を意識し始めれば円安期待は消える。FRBの資産圧縮開始で一時的に円安に振れても長続きしないだろう。日米金融政策の違いによる円安予想は期待外れに終わりそうだ。

(富民)

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