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世界につながる市場へ 20年目のセレクトセール

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2017/9/16 6:30
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そうそうたる血統の子馬が次々と高額で取引される日本最大の競走馬のセリ市場「セレクトセール」(日本競走馬協会主催)が、今年も北海道苫小牧市のノーザンホースパークで7月10、11日の2日間にわたって開催された。

心配された雨は2日間のセリが終盤を迎えた時間帯に、ポツリポツリと降り出した程度。2日目の朝に行われた展示(セリ会場近くの林や野原に上場される子馬と母馬が200組以上並ぶ)は、薄雲から時折日差しが漏れる中で、今年も例年と変わらぬ壮観だった。

広大な敷地で行われるセレクトセール当歳部門の展示

広大な敷地で行われるセレクトセール当歳部門の展示

セリは今年も活況で、価格1億円以上(税抜き、以下同)で取引された馬は、初日の1歳部門で15頭、2日目の当歳(0歳)部門が17頭。国内市場2位の5億8000万円で落札された父ディープインパクトの当歳牡馬を筆頭に、合計で史上最多の32頭に達した。落札率は競走馬のセリとしては驚異的な87.9%。平均落札価格4267万7340円は、史上最高だった昨年の数字を11%も上回り、落札総額は173億2700万円と昨年を16%上回る史上最高だった。

競走馬の流通変えた

1998年に始まったセレクトセールは今年が20回目。バブル崩壊後の景気低迷期にあっても、別世界のような高額馬の取引が続いてきた。リーマン・ショックが世界経済を襲った2008年以降の3年間は落札額などの指標が低迷していたが、市場の熱気に変わりはなく、落札率は7割前後を維持していた。11年から落札額も上昇に転じ、以後は右肩上がり。市場規模は低迷期から7年で2.5倍、初回から19年で3.5倍を超える水準に膨らんだ。

当初、セリの主役は日本の競馬に革命をもたらした種牡馬サンデーサイレンスの産駒=子供たちだった。大レースを次々に勝ち続けるサンデーサイレンスの産駒をどうしても手に入れたい。そんな欲求に応えたのがセレクトセールだった。当時、それなりの血統の馬の売買は生産者(牧場、あるいは母馬の所有者)と、縁故のある馬主との間の直接取引(庭先取引と呼ばれる)が主流。魅力的な血統の若馬がほしいと願っても、生まれてすぐに売買が成立していることが多く、極端な場合は生まれる前から買い手が決まっていることも珍しくなかった。

第1回セレクトセールが大方の予想を大きく上回る大盛況で終わった後、セリを主催する日本競走馬協会を代表して取材に応じた社台ファームの吉田照哉代表は「今回のセリには大きな決断が必要だった。このセリのためになじみのオーナーの購買や予約の申し込みを断ってきた。1年間スタッフとともに準備してきた結果、普段付き合いのなかった人も含め、日本中の馬を買ってくれるお客さんが全員集まってセリに参加してくれた。いいセリになった。とても感謝している」と興奮の面持ちで語っていた。

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