起業家育成 官民で ITやバイオ、世界視野に

2017/9/13 2:00
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IT(情報技術)の起業家が育つ環境をまちぐるみで整えよう――。神戸市は米シリコンバレーの有力ベンチャーキャピタル(VC)「500スタートアップス」と組み、起業家育成プログラムを展開する。神戸市内だけでなく、市外や海外の参加者も多い。

神戸市は米有力VCと組んだ起業家育成プログラムを本格展開する(8月、神戸市)

昨年夏の試行プログラムの期間は6週間だったが、参加した21社のうち半数以上が資金調達に成功した。このため、今回は7月末から10月初旬までと期間を延長した。

参加者の質を底上げすることを目指し、今春には東京や大阪、福岡で起業家が専門家と面談できるイベントを開いた。プログラムの終盤では、起業家が投資家に事業計画をプレゼンテーションする。

9月には三井住友銀行などプログラムに出資した大企業に対し、スタートアップ企業との連携方法を指南する計画だ。

神戸市独自の起業家育成も進む。2016年から展開する約3カ月間の「神戸スタートアップオフィス」は企業再生の専門家らが経営相談に応じ、起業家が互いに交流する。

参加したMomo(神戸市)は地元信用金庫のファンドの出資を受けた。電子基板が入った特殊なスマホケースを開発。子供のスマホの使いすぎを防げる点が注目されている。

大学発の企業も期待される。神戸大学発のバイオパレット(神戸市)は5月、米系ベンチャーキャピタル(VC)から約4億円の資金を調達した。遺伝子の特定部分を効率的に改変する「ゲノム編集」技術を農作物改良や遺伝性疾患治療を視野に事業化する計画だ。神戸医療産業都市に今秋にも研究室を設け、海外バイオ企業との提携を探る。

バイオパレットは神戸大が昨年春に新設した大学院科学技術イノベーション研究科の成果を生かすベンチャー。同研究科の教授らはDNAを切らずに特定部分を改変できる技術を開発しており、従来技術に比べて毒性が低いなどの利点があるという。

起業家が育つまちづくりには自治体、大学、企業、投資家など各方面の支援が欠かせない。育成に向けた取り組みはまだ始まったばかりだ。

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