2017年11月20日(月)

ミント系が香る舗装、蚊の近づきにくい空間に

BP速報
2017/9/12 23:00
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日経コンストラクション

 大成ロテックはアース製薬と共同で、蚊が近寄りにくくなる舗装を開発した。舗装内に水分を蓄える性質を持つ保水性舗装を活用して、虫よけ成分を空中に放出する。

 保水性舗装は、蓄えた水分が蒸発に伴って周囲から気化熱を奪うことを利用し、路面温度の上昇を防ぐ技術。同社は舗装内の水に香りを付けることで、空間にリラックス効果をもたらす「芳香舗装」で特許を取得した。開発した舗装ではこの技術を応用し、芳香物質の代わりに虫よけ剤を使用する。

虫よけ成分を空中に放出する歩行者用の保水性ブロック舗装(写真:大成ロテック)

虫よけ成分を空中に放出する歩行者用の保水性ブロック舗装(写真:大成ロテック)

 人体や生態系に配慮して、殺虫成分は入っていない。蚊が嫌がる成分を含んだ天然由来の精油を採用した。香りはミント系だ。また、人が多く集まる公園や公共施設周辺などで効果をより発揮するとみて、車道用のアスファルト舗装ではなく、歩行者用の保水性ブロック舗装で適用している。

 大成ロテックは2014年、東京都内でデング熱被害が発生したのをきっかけに、蚊によって媒介する伝染病などの予防に役立つ舗装の共同開発を進めてきた。

 これまでに実施した室内試験では、7割程度の蚊が虫よけ剤を散布した舗装を避けるという結果が得られている。現在は、侵略的外来種のリスク評価に詳しい国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室の五箇公一室長の助言を受けながら、都内や茨城県つくば市内などの屋外で検証実験を行っている。

 2016年度までの屋外実験によって、舗装から80cm程度の高さまでの蚊よけ効果は、3日から1週間程度、持続することを確認した。舗装から80cmという高さは、蚊に狙われやすい子どもの身長を考慮した。また子どもへの配慮として、香りにバリエーションをつけることも検討している。

つくば市内の民家の軒先で蚊よけ効果を調査している様子(写真:大成ロテック)

つくば市内の民家の軒先で蚊よけ効果を調査している様子(写真:大成ロテック)

 屋外試験は台風や猛暑といった気候の影響を受けやすいため、観測の条件が整わないことが多いが、今年度は気象条件が良く蚊よけの効果も確認できたという。今後は具体的な散布方法やコストとの兼ね合いを検討しつつ、来年度中の実用化を目指す。

 近年外国人観光客の増加などにより、国内に伝染病が持ち込まれるリスクが高まっており、また海外コンテナからのヒアリをはじめとする外来害虫の侵入も懸念されている。大成ロテックは開発した舗装を、外来害虫の拡散予防へ適用することも視野に入れている。

[日経コンストラクションWeb版 2017年9月12日掲載]

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