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経営者との対話に何を求めるか(十字路)

2017/9/13 11:30
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 日本企業の「稼ぐ力」を高めようとするガバナンス改革では、機関投資家による上場企業経営者との建設的な対話の意義が強調される。一方、来年春にも施行されるフェア・ディスクロージャー(FD)ルールは、上場企業が投資判断に重要な影響を及ぼす未公表情報を特定の機関投資家などへ伝えることを禁じる。

 投資家間の情報の平等を確保するというFDルールの狙いは分かるが、企業が違反を恐れるあまり、投資家との対話が形式的、表面的にならないかと心配になる。そこでガバナンス改革で先行する英国の機関投資家の意見を聞いてみたが、どうやらそんな懸念は杞憂(きゆう)のようだ。

 英国の機関投資家は、経営者との対話で未公表の業績情報を得ようなどとは思いもしない。そのためFDルールは対話を阻害しないという。

 では対話から何を得たいのか。経営者が自社の戦略やビジョンを推進し、成長を実現するという強い意思と能力を備えていることの確証だという。経営方針が通り一遍の作文や経営者自身の意思とは離れて周囲でお膳立てされたものなどではないことを確認したいのだ。

 そのためには対話の場での経営者の表情や話しぶりにも注目するという。手元でメモの読み上げに終始するような自信を欠いた態度ではダメということだろう。

 社外取締役との対話も重要だという。社外取締役が、経営者の暴走を止める監視役にとどまらず、「稼ぐ力」を高めるアクセルを踏む役割を担うには、経営戦略やビジョンを確実に共有することが不可欠だ。そのことを社外取締役との直接対話を通じて確認するというのだ。

 FDルールの施行へ向け、上場企業は投資家向け広報(IR)の観点からの対応を検討している。海外投資家の声も参考にしながら、前向きな姿勢で対話に臨んでほしい。

(野村総合研究所主席研究員 大崎貞和)

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