/

有事の金相場は終焉 関心は米金融政策にシフト

先週、金の価格は一時1トロイオンス1360ドル台まで急騰した。それが8日から一転下げに転じ、11日は1330ドルを割り込んだ。国連安全保障理事会が北朝鮮に対する追加制裁決議を採択した後も、金価格に動意は見られない。

北朝鮮による核実験の直後、金は急上昇し1330ドルを突破した。いまの水準はその時点に戻ったことになる。

北朝鮮がミサイルを発射し、日本の上空を通過した直後には1310ドルをつけていた。1330ドルの水準は北朝鮮の「有事プレミアム」がいまだに20ドル程度残っていることを示している。

これは、国連の採択に反発し北朝鮮がミサイル発射の威嚇行動に及ぶ可能性を映す。

総じて、金の市場最前線の現場感覚からすれば、相場に影響を及ぼすサプライズとなる北朝鮮関連の材料は軍事介入しか残っていない。しかし、そのシナリオは北朝鮮にとって破壊的なシナリオだけに非現実的だ。それゆえニューヨーク市場関係者の多くは「有事の金相場はとりあえず幕引き」と見ている。

市場の関心は、より現実的かつ持続的に影響を及ぼす米国の金融政策にシフトした。追加利上げ観測の後退が1300ドルの大台を支える要因となっている。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸's OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

  • 出版 : 日経BP
  • 価格 : 1,045円(税込み)
  • 日経電子版マネー「豊島逸夫の金のつぶやき」でおなじみの筆者による日経マネームック最新刊です。

この書籍を購入する(ヘルプ): Amazon

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません