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満足していますか?(大機小機)

2017/9/7 18:13
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 世の中なにかと暗いニュースが多い中、8月26日に内閣府が公表した「国民生活に関する世論調査」の結果は、おやっと思わせる内容だった。

 この調査は、今年の6月から7月初めまで行われたもので、6319人が回答した(個別面接聴取)。調査がスタートしたのは1957年、『経済白書』が「もはや戦後ではない」と書いた翌年だから60年という歴史がある。

 「あなたは、全体として現在の生活にどの程度満足していますか」。単刀直入とも言える質問に対して、回答者は「満足」「まあ満足」「やや不満」「不満」の4つの中から1つを選ぶ。この質問が加わったのは、内閣府の資料によれば63年だが、今年「満足」と「まあ満足」を合わせた人の割合は、なんと73.9%、54年間で最高の「満足度」を記録したのである。

 これは一体どういうことなのだろうか。先進国ではまれと言っていいほど賃金が上がらず、非正規雇用は4割に達しようとし、格差が広がり、社会保障の将来は不安であり、20年デフレが止まらず、さらに近隣からミサイルまで飛んでくる。それでも4分の3の人は現在の生活に満足しているのだ。なぜだろう。

 満足度が50.4%と史上最低の水準まで落ちたのは74年11月、第1次オイルショックによる「狂乱物価」の中で街からトイレットペーパーが消えた時だ。これは異常なまさにショックだったが、1960年代高度成長の時代の満足度はおおむね60%ほどだった。

 これに対して平成に入ってからは70%に達した年がいくらもある。高度成長期を明るい時代と懐古する人もいるが、実際はやはり貧しかった。平成の世は物質的には豊かだ。調査結果はそうしたことを反映しているのだろう。

 しかし統計をよく見ると、それだけとは言いきれない。平成に入り満足度は95年に前回のピーク73%弱をつけた後、2003年の58.2%まで一気に急落した。以来、今年の最高値まで上昇してきたのである。

 「満足」は目標や願望と現実のギャップに依存する。過去十数年の上昇は、現実が良くなったのではなく、目標を下げたからだとしたらどうだろうか。日本人はついに「諦めの哲学」を身につけたということかもしれない。(与次郎)

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