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サッカー日本、ここから本当の戦いが始まる
サッカージャーナリスト 大住良之

(3/3ページ)
2017/9/7 6:30
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本田や香川も、そうしたサッカーに適応することさえできれば、来年のワールドカップまでに十分ポジションを取り戻す可能性がある。来年誰がプレーするか、まったくわからない。一つだけ確かなことは、9月5日のサウジアラビア戦のような特殊なコンディション下の試合を除けば、日本代表が以前のスタイルに戻ることはないということだ。そして日本代表の新スタイルは、今後の日本のサッカーに小さからぬ影響を与えるだろう。

6大会連続でW杯出場を決め、1日に記者会見するハリルホジッチ監督(右)とJFAの田嶋幸三会長=共同

6大会連続でW杯出場を決め、1日に記者会見するハリルホジッチ監督(右)とJFAの田嶋幸三会長=共同

だが、戦いが終わったわけではない。

同じ過ちを繰り返してはいけない

期待を抱かれながら力を出し切れずに敗退してファンを大きな失望に陥れた06年と14年のワールドカップでの失敗を繰り返してはいけない。

この両大会での最大の問題は選手たちにあった。予選突破まではチームが結束し、誰もがチーム第一の考えを持っていた。しかしワールドカップ出場が決まると、「自分を売り込むチャンス」と言わんばかりの行動に変わってしまった。そして何となく「勝てるだろう」という雰囲気の中で大会に入り、手痛いしっぺ返しを食らった。

そして両大会には、もう一つ見逃せない敗因があった。日本サッカー協会(JFA)の準備態勢だ。選手たちと同様、予選突破までは純粋に勝つためだけを考えた準備をしてきた。しかし大会を前にすると、いかにこのワールドカップを利用するかというさまざまな企画にのみ込まれた。

06年大会前には開校したばかりの「JFAアカデミー」の少年たちにトレーニングを見せるためだけにJヴィレッジ(福島県)でのトレーニング合宿を行い、連日2万人ものファンの前で集中力のないトレーニングをしてしまった。さらには、百害あって一利なしのドイツとのトレーニングマッチを相手協会からの延期要請をけって強行し、選手たちを勘違いさせてしまった。

14年大会では蒸し暑いレシフェ、ナタル、クイアバで試合をするにもかかわらず、冷涼なイトゥでの合宿(大会中滞在)を強行した。関係があるかどうかわからないが、イトゥには日本代表のメインスポンサーの工場があった。

どんな監督でも、選手や協会がワールドカップで勝つことに集中していない状態で勝てるわけがない。06年大会のジーコ監督も14年大会のザッケローニ監督も大会後に大きな批判にさらされたが、私は2人とも「犠牲者」だと考えている。

同じ過ちを繰り返してはいけない。すでに繰り返してしまったのだから、「3回目」があってはならない。ハリルホジッチ監督には、9カ月後のワールドカップ前にまだまだ難しい「戦い」が待っている。そしてそれこそが「本当の戦い」になる。

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